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おすすめの本 「霊ナンテコワクナイヨー」

『霊ナンテコワクナイヨー』





















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by sinsendou | 2012-08-31 15:11 | おすすめの本①~

中医火神派医案新選  その24

中医火神派医案新選
その24


4.麻疹垂危――増液湯加減
  某女児、3才。初めの発疹時は直ぐに升麻葛根湯加薄荷・防風・荊芥を2剤与え、服用後に疹はすべて出きったが、発熱が退かず咳嗽と目を閉じると多くの目やにが出て、続けて二陳湯加生姜・細辛・五味子・炙麻黄を以って服用させると、咳嗽は少し減ったがなお発熱と喘息が加わった。この時、余は経験不足から弁証が不確かで、つい出疹後の発熱喘息或は虚寒の証に属すると思い、四逆湯を以って之を治療した。服用後発熱は漸く退いてきたとはいえなお鼻の扇動と喘ぎがあり、その風が今にも動き出しそうなので、そこで逐寒蕩涼湯(炮姜・肉桂・公丁香・胡椒)を少し与えこれを服すと病勢はますます沈重に見えた。この夜21時ごろ細心の注意を払って診察すると、その脈は沈細、絶えそうなほど微かで全身みな冷えていた;両目は目やにで六七日閉じたままで目を開けることができない;舌唇は化膿して乳が飲めない;呼吸は急促で微細、その症はすでに危急に転じていた。夜中の零時になって患者は僅かな呼吸と微細な迫促の声をあげ、四肢は厥逆し白く粘った泡涎を口腔外に流出させ、全身冷たく脈息とも絶えそうで、やはり乳も飲めず症状はますます厳重に見えた。細心を配りながら考えを追求し、温熱薬を服しますます悪化し、或いは真陰内虚で陰虚が内熱を生じ、その真陰が外に追い出された。これに出会って気息奄々の際、寒涼薬は使えないし温熱薬もまた投入できない、ただ滋陰補水の法が使える:
  熟地9g、玄参3g、五味子3g。弱火でゆっくり煮たものを少しずつ飲ませると、幸いに徐々に飲みくだすことができ、薬を茶碗半分ほど服用させた後、夜中の2時ごろに様子を窺いに行ったところ、口中の涎泡は7~8割方減少し呼吸促迫の声も比較的穏やかになり、脈拍も細数に転じまたこの薬を茶碗1杯飲んだ。空が明るくなろうとする頃再び診察すると、喘息は治まり体温回復し、口中の白泡は既になく乳も飲むことができる様になって、翌朝にこの方を倍にして服用させ、目やにを洗浄するとやっと目を開けることができ、その視力も正常であった。薬を全部飲み終わると冷たい水を欲しがり、少しずつこれを与えもう薬は服用せずに癒えた。

  注釈:疹の後の陰虚は邪熱が内伏し、温熱薬の誤服の後その裏熱は更に甚だしくなって、真陰を圧迫して外越させ陽盛隔陰の垂危の証になった、故に養陰清熱の剤を用い始めて危機から転じて安穏となった。方中の玄参は色黒で性は苦寒、心腎の熱を清くするを以って十分で、熟地は滋陰補水、五味子は肺腎の気を斂陰収納し根へ帰し、また真陰の熱邪を退ける、すなわち全ての効果が現れる。

  評注:この案は陰陽の弁訣を以って陰証に属しているように之を判断し、即ち呉氏の妥当細密な経験を以ってしても、惑う感じのように言っている。温熱薬を服用した後に症状が重くなることに因って、“細心を配りながら考えを追求”せざるを得なかった。幸い固執しなかったので、一時軽剤の滋陰補水を以ってこれを試し、終には危機的状況を挽回した。火神派は扶陽の剤を投薬した後で、若し症情が減らず或は反って重くなったら、慎重に何度も考慮せねばならず、融通性がなくてはいけない、編者が本案を選録したのは即ちここに着眼したからである。

5.感冒――麻辛附子湯加桂尖/ 四逆湯合二陳加細心・五味子
  張某、42歳、昆明市の住人。某日家に帰る途中丁度陰雨に降られ、寒風で感冒となった。初めは身熱悪寒と頭痛関節痛、混迷と嗜臥(即ち少陰のただ寝たいとの病情なり)に、熱いものを飲みたがるが多くはない。脈沈細に緊を兼ね、舌苔は白滑で舌質は青紫が混じり、腎気が素より脆弱なことから坎内の陽も弱く、客邪に抵抗する衛外固表の力なく、風寒の邪が虚に乗じて少陰に直入し、真陽運行の気機を阻塞してこれらの症状を成した。仲景の麻辛附子湯による温経解表を以って之を主どる:
  附子36g、麻黄9g、細辛6g、桂尖12g。1剤で直ぐに発汗して身熱は退くが、ただ頭暈と咳嗽・気持ちが臆病となって、表邪は緩解したといっても肺寒はまだ粛清されていないし陽気もまだ虚なので、四逆湯合二陳加細辛・五味子を以って扶陽温寒しこれを主どる:
  附子45g、筠姜24g、生甘草9g、広陳皮9g、法半夏12g、茯苓12g、細辛4g、五味子1.2g。お湯で先に附子を2時間煮てから残りの薬を入れ煎じて服す。1剤飲み終わると咳嗽はすぐ止まり食欲も出て、気分も回復し病は全て癒えた(呉佩衡《医薬簡述》。)

  評注:この案は素体の腎気が毀損しているところに少陰が寒邪を感じ、太陽・少陰の両感に至った局面で、方は麻辛附子湯を用い更に桂尖を加えて開表の力を増強した。汗を取って熱が退いた後に、四逆湯合二陳に再び細心・五味子を加え以って温肺化痰し、表証が既に解していることに因って麻黄は除く;五味子を用いるが、筠姜・細辛とで仲景の化痰定式(姜辛味)になる、その収斂の邪を防ぐことに因ってほんの少量の五味子1.2gを用い、医の法則の細かいところをはっきりと出した。
                                      続く




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by sinsendou | 2012-08-28 00:23 | 中医火神派医案新選①~

おすすめの本 「あの世に聞いた、この世の仕組み」


by sinsendou | 2012-08-25 12:41 | おすすめの本①~

中医火神派医案新選  その23

中医火神派医案新選
その23


2.麻疹危険症――白通湯加肉桂/ 四逆湯加味

  厳某、4歳。麻疹が出て病状重く、その病すでに六七日になり、疹が出てすでに灰色になっていたがまだ発熱は退いてなく、舌苔は白滑で口渇せず唇の色は青紫で焦躁と血の瘡蓋ができて、脈は沈細で緊、大便泄瀉し小便は赤く長い、午後から夜間の発熱が最も甚だしく、煩躁不眠、咳嗽し痰が滞り唾も出にくく食欲は進まず、精神欠乏からその証はすでに危篤に転じていた。また服用した方剤を調べたところ、始めは発表升提し続けて養陰清熱解毒し、陰寒の気を甚だ益することとなり、その真陽を圧迫して外越した、故に真寒が内にそして假熱が外に現れ、かつ衰脱の勢いがある、ひとまず白通湯加味治療をする:
  附子60g、乾姜15g、葱白4茎、肉桂6g。
  翌日また診察すると、薬を服用後直ぐに嘔吐する涎痰は杯ほどに減り、咳嗽も疎らになって夜2~3時間寝ることができ、泄瀉の回数も減少し、薄めたお粥を茶碗に半分ほど食べた。視れば身熱は漸く退き、脈も比較的緩やかになって、口唇の流血も止まって少し潤ってきた、どれも病状が危機を脱した象であるが、まだ扶陽抑陰が宜しく四逆湯加味を以って之を主どる:
  附子90g、乾姜25g、甘草9g、法半夏9g、肉桂6g、化橘紅6g。
  三回目の診察:病状は大幅に改善し、脈は静で身は涼、夜も熟睡でき白苔は8~9割無くなって、唇舌は紅潤となり口中全体に潤いが戻り、食事量も増え咳嗽は止んだ。再び四逆湯加黄耆・砂仁を以って連続して2剤服用させ、諸症は悉く癒えた。

3.麻疹危険症――麻辛附子湯加生姜・甘草/ 白通湯/ 四逆湯加肉桂・茯苓
  呉某、1歳、痢疾が治ったのち十日ほど、体質が元のように回復しないうちに抱いて町へ遊びに出かけ、間もなく発熱や薄い鼻水そして咳嗽となり、直ぐに桂麻各半湯を与えて之を治療した。服用後発熱は退かないで症状も減っていないし、眼は僅かに赤くなって涙が多いなど、麻疹の症状が出ている。痢疾を患った後なので体質が弱っていた、すなわち麻辛附子湯加生姜・甘草を以って補正除邪し、温散托毒と之を升提する:
  附子15g、麻黄3g、細辛3g、甘草6g、生姜9g。服用後僅かながら紅斑が現れたが、色合いが不鮮明で意識朦朧として、すでに少陰の「但寝ることを欲す」の病状が現れた。そこで附子を倍増してまた1剤服用させ、頭部頚項及び胸背が漸く出てきたとはいえ、まだ疹の出が緩慢でその色も僅かに青紫と淡紅が現れ、かつなお意識は朦朧としている、多量の白通湯で元陽を扶助し疹毒を外出させる:
  附子60g、乾姜15g、葱白3茎。服用後漸く胸部から上に疹が出たが、下半身及び四肢にはまだ出現せず、色もまだ暗淡で鮮紅でなく発熱・咳嗽し、意識朦朧の上に唸ってもがき乳の吸いも多くない、舌苔白滑、小便は米のとぎ汁のようである。当時呉氏は驚き恐れを感じ、少し時間をかけ落ち着いて再三思考を繰り返してから、確かに陽虚の病情で扶陽補正以外に他に方法がないと、やはり多量の四逆湯を以って之を主どった:
  附子120g、乾姜15g、炙甘草9g。はからずも1回服用しただけで病勢は反って悪化した。症は発熱して目を閉じ喘息様の呼吸、鼻翼や胸部は扇動が見られた;小便不利で手を使ってその陰茎を軽く捻ると、始めは米湯のような色の数滴の小便が出たが大便は出ない;鑢をかける様な声を出し、喘ぎと咳による唸りやもがきも止んでいない;乳も飲まず、首は柔らかく頭を仰向けにできない;顔面の色は青暗く麻疹はまだ透出していないので色も暗淡で不鮮明。この種の症状は極めて厳重であるが、呉氏は陰証の実証であると考えていて、証が危篤に転じた原因は重い病の割に薬が軽いため薬が病に負けている、いわゆる敵に兵が負けている様なもので、故に服用後この反応が起きた、遂に大量の四逆湯加肉桂・茯苓を以って之を主どることに決定した;
  附子300g、乾姜24g、甘草12g、肉桂9g、茯苓15g。煎じたものは30分毎に一回飲ませる。服用後直ぐに杯ほどの涎痰を嘔吐したので、薬液を少し薄めて午後また1剤を煎じて頻繁に之を飲ませた。毎回服用させた後涎痰を嘔吐したが小便が通利に転じ始めた。唯喘息は減らないが胸部扇動の状態は間を置くように見られた。翌朝また原方を継続服用させた。朝1剤・夜1剤を堅持して三日三晩合計は附子6個300gを服し、疹はやっと透出し鮮紅に転じそれとともに漸く落屑して、脈は静で身は涼となり同時に少しずつ薄粥と乳を飲むことができるようになった。ここに至って患者はごくわずかな咳を残すのみとなったので、病に照らして薬減の原則によって、四逆湯合二陳湯加味を以って続けて3剤服用させる:
  附子45g、乾姜15g、法半夏9g、茯苓12g、広陳皮6g、砂仁6g、細辛3g、甘草9g。連続して3剤服用後咳嗽は癒えたが、知らぬ間に口下に紅腫と両耳の流膿がでて、なお四逆湯は肉桂・細辛を以って再び3剤連続服用させると、腫れは消え膿も減じて病後の調理を半年続け、体質は当初の様に健康になった。
                                   続く




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by sinsendou | 2012-08-22 00:19 | 中医火神派医案新選①~

京都の旅 その71

【黄檗山萬福寺】
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1654年(江戸時代)、中国福建省から渡来した隠元禅師が後水尾法皇や徳川四代将軍綱公の尊崇を得て、1661年に開創された寺院であり、日本三禅宗(臨済・曹洞・黄檗)の一つ、黄檗宗の大本山です。

黄檗宗では、儀式作法は明治に制定された仏教儀礼で行われ、毎日誦まれるお経は黄檗唐韻で発音し、中国明代そのままの法式梵唄を継承しています。

建造物は、中国の明朝様式を取り入れた伽藍配置です。創建当初の姿そのままを今日に伝える寺院は、日本では他に例がなく、代表的な禅宗伽藍建築群として、主要建物二十三棟、回廊、額、聯などが国の重要文化財に指定されています。

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by sinsendou | 2012-08-19 12:07 | 京都の旅①~74

中医火神派医案新選  その22

中医火神派医案新選
その22


二、呉佩衡医案

  呉佩衡(1886-1971)は、名鐘権、宇佩衡など、四川省会理県人で雲南四大名医の一人、火神派の重要な伝人でもある。18歳で当地の名医である彭恩溥先生の教えを受け、《内経》・《難経》・《傷寒論》等の経典著作を深く精読した。中年以降仲景学説の研究に精力を集中し、経方学理の唱導に大いに努め陰陽学説が中医理論の精髄であり、弁証論治が臨床診療の准則であると強調した。解放後、先ず後任として雲南省中医学校校長・雲南中医学院院長・雲南省政協常委等の職につき、全一家が教え子である。1956年・1959年の2回北京に赴き、全国政協会議及び文教衛生群英大会に出席した。
  呉佩衡は忠実に火神派の学術思想を伝承し、理論から実践まで一貫して教えた。彼が言うには“鄭欽安先生の著作は、実践の中で仲景医学の真理をはっきりと主張していて、その独自の処理は誰も為し得なかったことができた。私は疾病を治療する上で大変価値のあるものと認めているし、中医科学化の基本材料とすることができる”(劉鉄庵編纂の《鄭欽安の医学》題詞から)。1962年、呉氏が雲南中医学院勤務時に責任者となって管理したのが、2回目の《医理真伝》と《医法圓通》を教参資料として翻刻し、教学中に推し進めた。鄭欽安と同じように呉氏は臨床に善く附子や四逆などを用い、かつ剤量と応用範囲などの方面で突出したところが、経典火神派医家の代表である。
  呉氏は附子を“回陽救逆の第一品薬”であると称し、善くこれを広く応用し多量に用いて、胆識を兼ね備えしばしば難病の大変な症に疑問を投げかけた。
  呉氏は附子について、時間をかけて煎じ、用量は15g~60gで、必ず熱湯で2-3時間煮沸するように提唱した。用量が増加すればすなわち須らく煮沸時間を延長し、口で味わい痺れないことを以って口舌が正確である。時には重症を救急するために、薬壺を連続して炉の上に置いて火を止めずに附子を時間をかけ煎じ、煎じたそばから服用させいかに大剤量とはいえども途中で切らしてはいけない。強調すべきは“附子は煮てあっても透明、炮製でなくても透明なので、故に必ず煮て口の痺れないものを服用する方が安全である”。
  呉佩衡の主要著作には《呉佩衡医案》・《呉佩衡中薬十大主帥古今談》・《麻疹発微》・《医薬簡述》・《傷寒論条解》等があり、編者は《中医火神派医案全解》中にかつて選んだ呉佩衡医案41例や、本書にも呉氏医案8例が選ばれ、主要はその麻疹方面の験案であり《麻疹発微》に出ている。

1.麻疹転陰――白通湯か肉桂

  田某、2歳。麻疹といえども既に透達して漸く灰色になってきたが、ただ身熱は退いてなく、舌は燥・唇は焦、鼻は乾燥、煩躁して不眠、脈息虚数。その脈症を根拠に生脈散加味を以って、養陰清熱と生津した。はからずも服用後に病勢はますます酷くなり、翌朝再診時には指紋の青紫が第二関節まで現れ、脈息ともに緊急、壮熱があって口渇し、煩躁して不眠、鼻翼が扇動して喘いでもがき息ができず、時には恐怖で身体を仰け反らせ、食べ物は受け付けず、心ここにあらずで、大便は泄瀉しその色緑黒、ひきつけを起こしやすい。先天が不足しているところに麻疹の予防をし、その後元気不足となった、故に滋陰の剤を服用させたら病はますます重くなった。火の不足によって蒸水が上昇できず、故に外には假熱が現れ内はすなわち真寒となる、また即ち陰極まれば陽に似て、寒極まれば火に似た証となる。大便が泄瀉し緑水なのは、本当は元陽不足であり中宮が虚寒となっているのは疑いがない。この際急いで温中回陽しなければならず、まだ救うことが可能である。すなわち白通湯加肉桂を以って連夜継続服用させ、翌日早朝に再び診察すると身熱は2~3割ほど退いて、舌唇は潤いが戻り喘息も比較的穏やかになって、乳も飲めるようになった。続けて四逆湯加肉桂・茯苓を連続して服用。次の日再び診察すると、身熱は8~9割なくなり、口中に潤いが戻り喘息も治まったが、ただ元気がないので、原方に黄耆24g、砂仁6gを加え続けて3剤服用させたら癒えた。

  評注:呉氏は麻疹の治療に優れ、民国期間に天下から栄誉をうけた。麻疹におけるその独特の処置は、たとえば表散をし過ぎ或は苦寒・滋補の誤用など不当な処治によって陽証が転陰し、また元気欲脱してしまうなどを、その場に応じて直ちに決断してしまい、白通・四逆などの力を用いて激しい大波から引き戻し、数多くの危機に瀕した小児を救い、祝味菊と扶陽法を以って大変多くの熱病陽衰病に類似した病例を治した。                                     続く




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by sinsendou | 2012-08-16 00:13 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選  その21

中医火神派医案新選
その21


27.鶴膝風――陽和湯加味/ 内托生肌散

  周女、9歳。左膝関節が大きく腫れ、某医院に入院し診断は骨結核であった。治療2カ月、前後を5回手術するも病情は変わらず余が診察を請われた。顔色は晄白で左膝が大きく腫れかつ硬直して冷たく、立ち上がることができない。手術痕からは雨水の様に薄く澄んだ黒水が流れ、疼痛の感覚はない。終日寝たがり、舌は潤無苔、脈は沈遅で無力。病歴を詳しく尋ねると、発病は冬季の雪遊びによって引き起こされたと分かった。寒邪が経脈に侵入し、治す方法が分からずに月日がたち、鬱して解けなくなった。脈証合参すると当に通陽化滞和血の法が宜しく、加味陽和湯を用いる:
  麻黄毛6g、熟地15g、白芥子9g、鹿角霜15g、桂枝6g、肉桂5g、炮姜9g、当帰15g、甘草9g。方中の熟地・肉桂・鹿角霜は腎陽を温め腎陰を固める;麻黄毛は腠理を開く;白芥子は消痰化積し、皮裏膜外の痰を消す;熟地は麻黄毛を得てすなわち凝滞しない、麻黄毛は熟地を得てすなわち表散しない;鹿角霜1味を多めに用い温補しながら粘滞しない;肉桂・桂枝を併用すれば心・肺・腎の陽が温まる;当帰を加えて以って補血・活血し、全方を配合することで扶陽固陰の効果がある。
  上方5剤服用後、顔色は漸く紅潤に転じ、左膝関節は少し温まって腫れも漸く消えた。原方から鹿角霜を去り、毎剤に鹿茸粉1.5gを混入し再び5剤服用させた。鹿茸は精髄を補い元陽を壮んにし、督脈を大補して筋骨を強健にする。
  上方服用後、膝関節は温に転じて立ち上がることができた。顔色は紅潤で食欲も増進し精神良好となって、患部から流れる薄く澄んだ黒水は黄色の膿液に変わった。これは腎陽が回復したとはいってもなお補気活血・生肌が必要で、方は張錫純の内托生気肌散加減を用いる:
  生黄耆30g、天花粉10g、乳香6g、没薬6g、山茱茰15g。この方は黄耆を多量に用いるもので、その性は温・味は甘、《神農本草経》は“瘍疽や日久しい敗瘡を主どる”と謂っている。その補気を以ってよく肌を生じ、その潰膿を自ら排除できる;天花粉は瘍腫瘡毒を治し生黄耆を配合することで生肌排毒の効果を増強する;乳香・没薬は、一つはよく血中の気を調え、一つは気中の血を調えることができる、合わせて用いればすなわち臓腑を宣暢し、経絡を疏通して善く瘡瘍瘀滞を治す;山茱茰は温肝・補肝し以って九竅を通じる。全方合わせて益気生肌・排膿疏絡・解毒の効果を呈する。7剤服用後、傷口は漸く癒合した。

  注釈:陽和湯一方は陰疽内陥を治す方でありさらに通陽化滞し和血の効果が具わって、故にその名を“陽和”といい、日の光に照らされるがごとく寒邪はみな解ける。ただ原方の剤量が軽すぎて病に勝てない、故に師はその考えでその方に固執しなかった。病は常に決まった形があるわけでなく、医もまた常に決まった方があるわけでもない、薬も常に必要な物が揃うわけでもないので、順逆や進退がその時に応じての方法があり、精神の精巧さがその人にはあり、君臣佐使のその使い方もある。従来の方法を固守するがごとく扱いを変えないやり方は、変動不居の証を治す時には効果のある方法に属してはいても、効果を取り出すことは難しい。
                                 続く



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by sinsendou | 2012-08-10 00:08 | 中医火神派医案新選①~

京都の旅 その70

【宇治川】
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【三室戸寺】

『平等院』を見学した後、宇治川の屋形船に乗って優雅に昼食をいただき、一路『三室戸寺』へ向かいます。

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『三室戸寺』は西国観音霊場10番の札所で、本山修験宗の別格本山です。約1200年前(宝亀元年)、光仁天皇の勅願により、三室戸寺の奥、岩渕より出現された千手観音菩薩を御本尊として創建されました。 

開創以来、天皇貴族の崇敬を集め、堂塔伽藍が整い、霊像の霊験を求める庶民の参詣で賑わうこととなりました。

宝蔵庫には平安の昔を偲ぶ五体の重要文化財の仏像が安置されています。

現在の本堂は約180年前(文化二年)に建立された重層入母屋造りの重厚な建築で、その背後には室町時代の十八神社社殿、東には鐘楼・三重塔があります。

五千坪の大庭園は枯山水・池泉・広庭からなり、5月のツツジ(二万株)シャクナゲ(一千本)・6月のアジサイ(一万本)・7月のハス・秋の紅葉など四季を通じ美しい花模様を楽しませてくれます。


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by sinsendou | 2012-08-07 11:24 | 京都の旅①~74

中医火神派医案新選  その20

中医火神派医案新選
その20


26.腹痛――霹靂湯/ 大橘皮湯加乾姜/ 大黄附子湯/ 調胃承気湯
  
  趙某、男、32歳。腹部疼痛し大便不解、かつて苦寒消導の薬を用いるも無効だったので、自分で香蕉を数枚食べたが便意はでてきた。しかし便通はなく反って腹痛が激しくなり、両脇が張って深夜から未明まで痛みが止まらず、冷や汗が滴り呻きながらゴロゴロ転げ回って、翌日の午後になって漸く助けられながら我が診療所に来た。調べるとその脈は弦緊、舌質青っぽく苔白膩、顔色青暗く苦悶に満ちて食欲なし。これは肝寒胃冷で寒湿が凝滞し、木不疏土が原因である。経験方の“霹靂湯(ヘキレキトウ)”を以って処する:
  附子30g、炒呉茱茰6g、公丁香4g、木瓜6g、絲瓜絡6g、灶心土(ソウシンド・黄土のこと)30g。方中附子は壮陽補火で散寒逐湿し、脾胃の虚冷を治す;呉茱茰は温肝逐寒で散湿欝解し、厥陰の濁邪を駆除する心腹疼痛の要薬である;丁香は温中・降逆・暖腎で心腹冷痛を治し、かつ壮陽の効果がある;木瓜は平肝達欝・舒筋止痛する;絲瓜絡は通経絡して結滞を散じ血脈を巡らせる;灶心土は温中燥湿し暖胃止痛する、《本草便読》には次のように述べられている“その効もっぱら脾胃に入り、扶陽退陰と散結除邪の意がある。”この方の用法・目的は温中・疏肝・燥湿・止痛にある。甘草を用いずに薬力が中焦から丹田にまで達してほしい。
上方を1回服用した後直ぐに腹痛は軽くなり、1剤飲み終わる頃には腹痛消失し食欲も出て、顔色は青さがなくなり脈も緩和に転じた。精神は安定し気持ちも伸びやかになった。ただ皮膚に紅色斑塊が出現した。この病邪は裏から表に達する良い現象である。因勢利導が宜しく、通陽化気の剤を用い以って調陽気機し、方は劉河間の大橘皮湯加乾姜を用いる:
  陳皮6g、猪苓9g、茯苓12g、澤瀉12g、白朮9g、桂枝9g、木香4.5g、檳榔9g、六一散9g、乾姜9g。方中の五苓散は化気行水で、桂枝はよく通陽し肺気を開き風邪を散じる;陳皮・木香は健胃理気する;六一散は清熱利湿する;乾姜を加えて桂枝の通陽の力を助ける。
  1剤服用後斑塊は直ぐに消えたが、ただ寒結がまだ化していないので大便が不爽である。湿から熱化し膀胱に注ぎ小便は短赤。《金匱要略》の大黄附子湯を与える:
  附子30g、大黄9g、細辛3g。1剤服用すると大便が通じたが、ただ肛門の灼熱と口渇を覚えた、これは湿熱が大腸に注いだためである。瀉熱和胃が宜しく、調胃承気湯を用いる:
  大黄6g、炙甘草4.5g、芒硝(別包)6g。前2味と同煎し汁を取り毎回芒硝3gを調入して、2回連続して服用。上方服用後、症状は消失し癒えた。

  注釈:《霊枢・五邪篇》に“邪が脾胃にあれば陽気は不足し、陰気は有余となる、すなわち寒が中り腸鳴腹痛となる”と云っている。これは陰寒が腹痛の原因であることを指している。“背は陽なり、腹は陰なり”だから、腹部が陰に属している以上すなわち喜温して悪寒、故に腹痛は寒証が多い。本例は脈症を合参し、さらに苦寒薬及び香蕉を服用した後腹痛が激しくなったことを合わせてみると、肝寒胃冷による腹痛であると断定して殆ど間違いがない。寒に因って即ち凝となり陽気が舒展できずに運送の力なく、故に大便が停滞不通となる、これは寒結である。肝寒に至って現れる症は、孫思邈が《千金方》のなかで“肝の虚寒は、病状として脇下が堅く苦しく寒熱腹満し、食欲不振と腹脹もあり、不安で心が楽しまない”と謂っている。肝寒によって木欝という結果を招き、欝はすなわち肝の疏泄と升発機能受制に、必然的に脾胃の消化吸収にも影響し、これを“木欝不能疏土”と謂うなり。《内経》に“木欝は之を達す”と云って、達はすなわち条達舒暢の意味である。故に初診に用いた“霹靂湯”は、呉茱茰・木瓜が温肝散寒し以ってその条達の性を遂げる;附子・公丁香・灶心土が扶陽と温中散寒除湿して脾土を培う;絲瓜絡は通絡散結して血脈を通利する。薬と証が相符合して1剤で痛みは止まった。この方は凡そ肝胃虚寒によって起きた腹痛・脇痛・嘔吐などに用いて多効あり。
又:本例では寒が裏に結滞して、温通のあと邪気が外達しすなわち紅斑が出現した。欝邪に因って熱が醸成されたあと、終には湿熱が下注した、故に治法は前後同じではない。
                                        続く



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by sinsendou | 2012-08-04 00:04 | 中医火神派医案新選①~

麗しの島 台湾旅行記 194 街中のお寺

日本中どこにでも「神社」や「お寺」などが散在しているように、台湾にも町中いたるところにお寺さんがあります。

このお寺さんも、そんな街中にあります。

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門から入って正面。
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右側には、観音菩薩像。
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台湾の人たちはとても信心深い人たちが多いです。

どこか日本人に共通している何かがあるような気がします。

それは、昔日本が50年という長い間、台湾を日本の国のように統治していたからではないでしょうか?

だから、台湾のお年寄りは日本語が達者で、その当時の日本の教育が行き届いていることがよくわかります。



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by sinsendou | 2012-08-01 15:45 | 麗しの島 台湾①~487



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