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中医火神派医案新選  その14

中医火神派医案新選
その14


17.中耳炎――麻黄附子細辛湯/ 龍胆瀉肝湯加減
  童某、男、5歳。左耳から膿が流れ、かつ高熱を発して体温は39.7℃、西医の診断は中耳炎でストレプトマイシン等の薬を用いたが、熱が下がらず流膿も依然と続いていたので、余が治療に招かれた:左耳の中は清稀な膿液が滲み出していて、精神は疲労しきって“ただい寝んと欲する”の状態である。二便は通暢だが舌質は青滑で苔薄白、脈沈細。四診を合参すると寒邪が少陰腎経に入ったと断定できる。腎は耳に開竅するので、今寒邪が腎経に侵入すれば耳竅に停滞し、故に上に述べた諸症が現れる。治は温経散寒で鼓中の邪を外出させるが宜しく、方は麻黄附子細辛湯を用いる:
  附子30g、麻黄6g、細辛3g。1剤服用後、発熱は直ぐに退き顔と唇の色は紅に転じ、膿液も粘調に変わって脈弦数、舌質も紅に転じた。病はすでに寒から熱に変化し、所謂“陰証転陽”となり、その病は治しやすくなり清肝降火の剤を用いるが宜しく、すなわち龍胆瀉肝湯加減をあたえた:
  竜胆草5g、山梔子3g、黄芩6g、車前子6g、柴胡6g、生地黄15g、澤瀉6g。3剤服用後、耳の中の流膿は漸く止まりそして癒えた。

  評注:凡そ寒邪の外遏には先ず温経散寒を与えるが宜しく、表邪が無くなるのを待ってから転じて温を入れ扶ける。但しもし陰証が陽に転じたならば、すぐに清涼を以って施さねばならない。この理を知らねば初めから寒涼瀉火を以って寒邪を凝滞させてしまい、他証を変生し病はついに治り難くなる。本例は小児の生機旺盛により虚し易く実し易い、故に1剤温扶すると直ぐに陽に転じる。若し成人や久病に関係するときは、数剤温扶したとしてもこの様な明顕な転機は難しい。臨床の際には患者の年齢・体質・病程及び服薬反応を注意するが宜しい。尤も注意するべきは陰証が陽に転じても、まだ温扶の固執を止めないといわゆる薬による証変となり、追い風となるなり。

  18.水腫――桂麻各半湯加味/ 藿香桂枝湯加減/ 乾姜附子湯・白通湯・真武湯
  王某、女、70歳。全身水腫、発熱、身痛、喘息、煩躁、胸悶脹、大便秘結。発病から多くの日が経っていて、どんな治療も効果がなかった。症状は顔色青く虚ろで、舌白滑、脈弦滑。尋ねると病の発端は風寒侵襲に関係し、更に積滞となった。前医は表裏を分けなかったので表邪が残ってしまい、それが積滞を形成して気機を阻遏し墨を流したように全身に広がった。まさに今治療を行うが、三段階に分けねばならない:先ず営衛の調節を兼ねて解表宣肺;続けて積滞の消除を兼ねて表裏両解;その後陽気の温壮を与えて本治とする。手始めに先ず桂麻各半湯加味を用いる:
  麻黄6g、杏仁9g、桂枝9g、杭白芍9g、蘇叶6g、防風9g、独活6g、甘草6g、生姜3片、大棗3枚。1剤服用し、発熱身痛は直ぐに軽くなり表邪は漸く解けた。ただ胸の悶脹は変わらず、これは裏気が和してなく積滞もまだ消えていないためである。消積化滞を兼ねた表裏両解が宜しく、自製方の藿香桂枝湯加減を用いる:
  藿香6g、神曲9g、枳実6g、法半夏9g、焦山楂15g、蘇叶6g、白芷6g、桂枝6g、杭白芍9g、甘草6g、生姜3片、大棗2枚。1剤服用後胸の悶脹は軽減し喘息もまた軽くなったが、大便何日も通じていない。顔色青く虚ろで舌白滑が観測されるのは、高齢によって陽気不足し陰寒凝結となった。陽気を温壮するが宜しく、単刀直入に上下を交通させ陥ったものを昇らせれば濁は自ら降りる。方は乾姜附子湯を用いる:
  附子60g、乾姜15g。服用後大便は通じ煩喘は止んだが、ただ頻繁に胃散を吐く。これは陰邪が大変甚だしいところに、陽薬の服用で空に向かって離れるような、堅い氷が溶けて見える良い現象である。今大便が通じたといえども腫れの勢いは収まっていない。脾腎陽虚で陰寒がなお盛んである。温陽去寒による健脾利水が宜しい。続けて白通湯・真武湯を各3剤用いた後、濁陰は化して水は谷間へ帰り、腫脹は消え身体は軽くなり健全となった。

  注釈: “先表後裏”は《傷寒論》の重要な治則の一つであり、臨床時にはしっかり覚え込まねばならない。本案はすでに脾腎陽虚があって、また風寒外束もあり、かつ胃腸に積滞もあった。根拠は《傷寒論》“太陽病、頭痛発熱、身疼腰痛、骨節疼痛、悪風無汗し喘なる者、麻黄湯之を主どる”、及び“太陽と陽明の合病、喘いで胸満の者、下すべからず麻黄湯に宜しい”。後者の云うところの陽明系は裏証を指している。表裏が同時に見られるときは下すものを用いてはならず、解表を以って主となさねばならない。故に先ず桂麻各半湯加味を用い、病邪を外に出させることである。第二に藿香桂枝湯を用いて、積滞を化しながら表裏両解し積滞を消すことが、第三の用いる薬を創造する時の条件である。どれを先にしてどれを後にするか、心中にきちんとした考えをもってあたらねばならない。
                                  続く



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by sinsendou | 2012-06-29 00:05 | 中医火神派医案新選①~

京都の旅 その67

京都駅から北側は観光名所が集まっていて五つのエリアに分かれています。

①嵐山エリア

②金閣寺エリア

③銀閣寺エリア

④岡崎エリア

⑤東山エリエ

しかし、京都駅の南側は直ぐ近くに「東寺」があって少し離れて伏見稲荷。

醍醐寺、三室戸寺、平等院などは車でもないと不便です。

そこで京都駅南側の京阪バスツアーを利用しました。

朝9時半に「ホテル京阪」の一階ロビーに集合。

まずは『勧修寺』から。


【勧修寺】

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京都市山科の勧修寺は昌泰三年(西暦900年)に醍醐天皇が創建され、千有余年の歴史があります。

特に庭園は「勧修寺氷池園」と呼ばれ、「氷室の池」を中心に造園されていて、且つ周囲の山を借景し、即ち庭の中に前方の山を取り込んで庭の風景が造られ、広大な自然美を楽しむ「池泉庭園」です。


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古く平安時代には、毎年一月二日にこの池に張る氷を宮中に献上し、その氷の厚さに依ってその歳の五穀豊凶を占ったと言われ、京都でも指折りの古池になっています。

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by sinsendou | 2012-06-26 13:12 | 京都の旅①~74

中医火神派医案新選  その13

中医火神派医案新選
その13


15.捻頚風――麻黄附子細辛湯加味/ 小白附子湯加減
  張某、女、40歳。初め病は発熱身痛だが、やがて風痰が上涌して頚項が硬直し横を向くこともできなくなって、顔色は青く精神迷い口は開かず舌を延ばすこともできず、脈沈細・緊。脈症と合参すると顕かに太陽経脈に関係し、寒邪の停滞が引き起こしたものである。太陽と少陰は互いに表裏の関係であり、少陰は裏を主どっていて今寒邪は陰分に侵入し、正邪が相戦って濁陰は上逆し、清竅を蒙蔽した。法は当に温経散寒・去風化痰で、方は麻黄附子細辛湯加味を用いる:
  附子30g、麻黄6g、細辛3g、炒南星9g、全蝎6g、雄黄6g、僵蚕6g、胆炒半夏9g、生姜汁2匙。方中で麻黄附子細辛湯を用いて元陽を固め、腠理を開いて寒邪を散じて熱を退かせる;雄黄を加え以って百毒を排斥し、胆炒半夏は上逆の濁陰を降ろし、南星・姜汁を配して以って化痰散風する;全蝎・僵蚕は去風化痰と開竅し、そのうえ諸薬を上に引き上げまたよく升清降濁する。
  2剤服用し熱は退き、精神は徐々に清明となり口も僅かに開けて、舌を半分延ばすことができた。ただ顔色はまだ青く身体も困重、頚項もなお廻すことができず、脈は弦緊、舌苔は白膩。これは太陽の気機が閉塞し寒湿阻滞しているので、自製の小白附子湯加減をあたえる:
  炙小白附子30g、天麻9g、茯苓15g、葳蕤仁9g、法半夏9g、川芎6g、防風9g、白芷6g、羌活9g、桂枝9g、炒杭白芍9g、甘草6g、焼生姜3片、大棗3枚。2剤服すと口は七八割開けられ舌も伸ばすことができ、脈も緩和に転じた。発熱は全て退き痰涎も減少し神志はすでに清明となった。心肺の陽を扶けるが宜しく、以って未浄の痰を化痰する、方は鄭欽安の姜桂湯を用いる:
  生姜15g、桂枝9g。3剤服すと口は全開でき舌も伸縮自在で顔色も元に戻った。陽気不足に因って上から、すなわち上焦の陰邪が満ち溢れ、風痰が上涌を起こして以って臓腑経絡の危機を閉塞した。この方はよく上焦の陽気が昇るのを扶けるので、服用後陽気は升を得て陰邪を散らし、痰涎を化湿できたので他の症もまた減じた。僅かに頭部の微痛を覚えるが、これは上逆の濁陰がまだ浄化されてないためで、やはり扶陽抑陰が宜しく陰邪を宣散するため四逆湯加味を用いる:
  附子60g、筠姜12g、桂枝9g、細辛2g、甘草6g。
  2剤服用して諸症は全て癒える。

  評注:いわゆる“捻頚風”、これは外邪を感受した後風痰の上涌が出現し、人の体を捻ったような頚項硬直や、口が開かず舌も伸ばすことができない等の症状を指す。本例は虚寒の陰証に属し、故に先ず温経散寒を以って、続いて去風活絡を以って、最後に陽気の温扶を以ってそして癒えた。案中に“鄭欽安の用いた姜桂湯”の語があるが、この老師が鄭欽安の下で学び工夫を凝らした証拠である。

  16.寒凝経脈耳后起核――麻黄附子細辛湯/ 桂枝湯加附子・香附・麦芽/ 封髄丹
  李某、女、8歳。発熱、顔色は青、精神混迷、脈沈、舌潤。耳の後ろに親指大の核が隆起した。病はすでに一週間。脈証合参すると、証は陰邪の上犯で太陽経脈に寒邪の停滞である。今も患者は顔色青く生気がない、法は去寒を以って扶陽する、処方は麻黄附子細辛湯を与える:
  附子30g、麻黄3g、細辛2.5g。この方の効用は温経散寒にある。方中附子は辛熱扶陽、麻黄・細辛は辛温散寒、外邪を発散させ耳の後ろの核を消すことができ、発熱もまたそれに随って解ける。
  翌日診ると脈はまだ沈だが、核は僅かに小さくなり、発熱は退いたので再び下方を処方した:
  附子30g、桂枝6g、炒杭白芍9g、生香附子9g、麦芽15g、炙甘草6g、焼姜3片、大棗3枚。これは桂枝湯加附子に更に香附子・麦芽を加え以って行滞散結する。服用後顔と唇の色は紅潤に転じ核は2/3は消えたが、鼻出血が出現し体には紅斑がでた。これはすなわち陽気が通達した象なので続けて封髄丹を用いた:
  黄柏10g、砂仁3g、炙甘草6gを3剤、諸症は全て消え癒える。
                                続く



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by sinsendou | 2012-06-23 00:01 | 中医火神派医案新選①~

麗しの島 台湾旅行記 191 【吉星港式飲茶】その3

【吉星港式飲茶】その3

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エビのから揚げ。
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青菜。
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エビシュウマイといったところでしょうか。
エビのプリプリとした触感がとても感動的です。

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まだまだ終わりではありませんよ。



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by sinsendou | 2012-06-20 13:35 | 麗しの島 台湾①~487

中医火神派医案新選  その12

中医火神派医案新選
その12


13。長期発熱――麻黄附子細辛湯
  李某、女、18歳。寒を感じた後発熱が40数日退かず、かつて中西医の治療を受けたが症状は変わらなかった。現症状:胸満、食少、日晡発熱、悪寒丸まって寝、不思水飲、二便自利。顔色は黒く暗い、舌は潤滑、脈は沈で糸のように細い。傷寒太陽・少陽両感の重症に属す。治法は温経解表に宜しい。方は麻黄附子細辛湯を用いる:
  附子60g、麻黄6g、細辛3g。附子を先に弱火でゆっくり煎じ、痺れ味がなくなってから残りの薬を入れ、1剤。服薬後発熱は退き、他の症も減った。なお扶陽抑陰と心腎陰陽の交通することが宜しく、以下の二方を以って処方する:
  (1)附子60g、乾姜12g、甘草6g。3剤。
  (2)附子60g、乾姜15g、葱白3茎。3剤。
  以上2方を交替に服用後、精神大変よくなり飲食も増進して癒えた。

  注釈:発熱が40数日、調べる前に服用した処方は、陽虚の治療に随って四逆湯・白通湯を用いた;陰虚の治療に随って青蒿・地骨皮・鼈甲の類及び甘露飲等を用いたが、どちらも効果が無かった。脈症の分析から、戴氏は四逆が扶養はしても解表散寒はできないし、白通は心腎の陰陽を交通しても表裏の交通はできないと認めている。麻黄附子細辛湯を用いて表裏を交通し、表裏の陰陽を相和させ、今度は四逆を投じて腎陽を扶け以って本治とし、白通は心腎の陰陽を交通し表裏内外の陰陽をみな調和させる、故に病は治癒を得る。太・少両感の証で、方は麻黄附子細辛湯を用い四逆湯の単用に比べて解表の効果が多く、また正邪を共に顧みるので効果を収めることができた。善後に四逆・白通両方を交替に服用を以ってまたそこに新しい意義がある。

  14.頭痛――小白附子湯加減
  武某、男、45歳。頭痛が左頚部の麻木疼痛を引き起こしすでに10数年、多くの治療を試みたが効果ははかばかしくなく、余に治療を求めた:その脈は濡滑、舌淡苔白膩。痛みは甚だしく時に吐き気を伴い、常に四肢のだるさを感じた。証は寒湿不化に属し、治法は温陽化湿通絡となし、自製方の小白附子湯を与えた:
  小白附子30g、天麻15g、法半夏10g、茯苓15g、葳蕤仁20g、川芎6g、藁本6g、独活6g、白芷6g、防風6g、桂枝10g、甘草3g、生姜10g、大棗10g。方を守り30数剤まで服用、10数年来の頑固な疾患も遂に癒えた。今まで何年も再発していない。

  注釈:小白附子の一方は、余が長年臨床で常用し効果のある方剤である。凡そ体力不足で陽虚に外感し、或いは寒湿が経絡を阻滞したことに因る頭痛に、どれもこれを用いて治療効果があった。余はかつてこの方を以って一人の李姓の婦女を治療したが、年は40歳余りで両下肢激烈疼痛を患い、かつ対称性の紅斑まで出現した。診察すると営衛阻滞と気機不調であって、小白附子湯加羌活・秦艽を5剤用いて治癒した。

  評注:戴氏の小白附子湯と補暁嵐の制した補一大湯の薬とはかなり相似しているところがある:組成も同一の薬味が多く、どの八味も大発散の成分を有して、唯戴氏方は発散に偏り、補氏方は温散にも配慮している;治療病症も相似していて、どれも体力不足の陽虚外感で、読者は《中医火神派探討》の“補暁嵐”の一節を参考にしてください。戴氏の称する小白附子は中薬の白附子を指し、附子とは同じ品類ではない、本節の第21案を参照のこと。

                                 続く



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by sinsendou | 2012-06-17 10:43 | 中医火神派医案新選①~

『日本経済の真相』

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【前書きから】

たとえば、政府の予算案。霞が関の役人が作る予算案は、2000ページほどある。
もちろん新聞記者には、こんな膨大な数字の羅列に目を通している時間はない。

マスコミがニュースソースにしているのは、「役所の側でつくった要約資料」だ。
2000ページの予算案は、50ページほどの書類(3%程度)に要約される。
その際、官僚たちに不都合な情報はすべてそぎ落とされ、ごく一部の「わかりやすい部分」だけが記者たちに手渡される。

記者は、このわずか3%程度の「情報」をもとに記事を書いている。

記者たちは取材内容をゆがめているのではない。
むしろ、霞が関が言わせようとしていることを、素直に語っているにすぎないのだ。

私は今でもその2000ページの予算に目をとおしているし、何よりもかつては財務官僚として、その「情報」を渡す側にいた。

だからこそ、「なぜ残り97%の情報が隠されるのか」が手にとるようにわかる。

官僚たちに都合の悪いことは、決してその要約にはかかれない。
それどころか、その3%の情報を元につくられたニュースを信じる人たちは、役所におあつらえ向きの俗論を生み出すのに利用されている。
あなたもいつも間にか、彼らに都合のいい判断をさせられてはいないだろうか?

その一つが、今回の復興増税である。復興に増税など必要ない。

これが真相だ。

「俗論」には「真相」が「いつも」ある。

「日本の財政は破綻寸前」
「震災復興には増税が不可欠だ」
「円高は欧州危機のせいだ」

全部、そうやってつくられた嘘だ。断言できる。

by sinsendou | 2012-06-13 00:28 | おすすめの本①~

中医火神派医案新選  その11

中医火神派医案新選
その11


 11.臓寒癃脹――肉桂生姜湯/ 白通湯加味/ 四逆湯合金剛丸加味
  李某、男、40歳。腰痛や小便急脹、夜の睡眠不安などに閉鎖・理学療法等を久しく続けるが治らない。その脈を診ると沈・弦、舌は青滑。この証は腰痛兼小便急脹で腎陽の大虚が顕か、肝気下陥の結果である。肝は疏泄を主どり、腎は閉蔵を主どる。治法は心陽を大温し暖腎温肝するのが適応し、方は肉桂生姜湯を用いる:
  肉桂9g、生姜30g。
  上方の肉桂一味について黄坤載は謂っている:“味は甘辛、芳しい香りがして性は温、足の厥陰肝経に入り温肝暖血・破瘀消癥し、腰腿の寒湿や腹の脹痛を駆逐する。”張錫純も肉桂について謂っている“性はよく下まで達し丹田を暖め、元陽を壮大にして相火を補う。その色は紫赤で、またよく君火を補助して血脈を温通し、全身を巡る血脈の寒に因る痺れを治す、故に関節腰肢の疼痛を治す。”これに因って余は証に臨むごとに、肉桂の強心や暖腎温肝さらに肝木の下陥を升提させるのに用いた。生姜の辛温について黄氏は“肺胃に入り濁を駆除し、肝脾の行滞を動かす”、“臓腑を調和し営衛を宣達する”と謂っている。二薬を配伍し心陽を温扶するばかりでなく、更によく暖腎温肝する。
  上方1剤服用しすぐに腰痛の軽減を覚え、小便急脹も減り睡眠もまた比較的安定した。いま一歩陰陽交通を以って強心温腎を進めるため、方は白通湯加味を用いる:
  附子60g、乾姜15g、葱白3茎、肉桂9g、茯苓15g。方中の白通湯を以って陰陽を交通させ、肉桂・茯苓を加えて肝木の下陥を升提させ、附子は肉桂と一緒になってよく強心温腎する。3剤で諸症の大半は好転した。続けて扶陽去寒以って補腎腰強化するため、四逆湯合金剛丸加味を用いる:
  附子60g、乾姜9g、炙甘草6g、炒杜仲9g、肉蓯蓉9g、菟絲子9g、萆薢9g。この方四逆湯を以って元陽を扶ける、余はこの薬で腰膝を強化し腰痛を治した。10数剤を連続服用して症状は消失した。

  注釈:本例の症状は比較的簡略とはいっても舌脈から陽虚、寒湿阻滞であると知るべし。この証と肝経湿熱による小便急脹とは異なる。陽虚の小便急脹は当に面色晄白或は青暗・身重畏寒・目弦嗜臥・小気懶言・手足逆冷などの症がある。治法は温陽散寒が宜しく、故に肉桂生姜湯を用いるべし。肝経湿熱に属する者は、多くは口苦咽乾が見られ胸痛や煩躁易怒、小便急脹といえどもその色は必ず黄赤で、舌苔黄膩、脈象は弦数である。治法は肝経湿熱の清熱が適していて、龍胆瀉肝湯の類を用いるべし。証型が同じでなく、治法もまた異なる。
  肉桂生姜湯は戴氏がいつも用いた救心方剤に関連し、薬は簡単だが意義深い。凡そ心肺疾患は心肺陽虚、或は心陽不振が出現し、症が唇口青暗、心胸悶痛、喘息憋気、寒痰上泛が現れるものは、みなこの方を用いて治すことができる。本方はまた心肺陽虚による鼻流清涕が止まらない等の症を治す。
  金剛丸の出自は劉河間の《素問病機気宜保命集》で、炒杜仲・肉蓯蓉・菟絲子・萆薢各等分の研末と、猪腰子の酒煮を一緒に搗いて丸となし、腎虚の腰痛骨痿の治療に用いる。

 12.陽虚寒湿――理中湯加味/ 枳実梔子豉湯/ 姜桂苓半湯
  胡某、男、51歳。悪寒発熱に因って食欲不振となり、発汗薬を服用後もまだ熱が退かない。某中医師は暑熱であると判断し、山梔子・滑石・黄芩・黄連の類を用いたところ、服用後に瘧に似た寒熱となった。西洋薬に改め用い瘧の針治療をしたが、四肢はだるく無力で手足厥冷し、眼はぼんやりして夜通し寝られない:また方を改め麦門冬・黄連・黄耆・厚朴・瓜蔞殻・枳殻・石菖蒲等の薬を投じたところ、嘔逆が止まらない症や頭目眩運、心神恍惚、更には肘膝から先の手足厥冷が現れた。すでに4日間も大便がなく、病も半月になって病勢は危機に瀕していた。来診時には上記症状以外に、顔色は血の気が無く両目は虚ろで、舌心が黒く乾燥して脈は沈細微であった。これはすなわち寒湿不化で元気が収まらなくなっている。それだから嘔逆が止まらず神気が困頓として見える、ただ恐れるのは元気の虚脱と救う者がいないことである。急ぎ下方を用いる:
  公丁香4g、肉桂6g、柿蔕5g、蘇条参15g、白朮9g、乾姜12g、法半夏9g、茯苓15g、砂仁6g、甘草6g。この方はすなわち理中湯の加味方である。病が既に半月にもなり薬石乱投により、中陽が大虚してしまい嘔逆が止まらなくなった、これは胃気が絶えんとしている症候である。先天と後天の本は気脈が通じていて、胃気が絶えれば腎気もまた敗れさる。中焦虚寒に理中湯を以って立法する:乾姜・白朮は中宮の陽を温運し、蘇条参・甘草の甘緩で脾を益する。この組み合わせの如く剛柔相済の妙がある;公丁香・肉桂を加え以って温中降逆;柿蔕の苦温は気を下す;半夏の辛温は化痰。四薬を合わせ用いれば更に降逆の効果が顕著になる。茯苓は健脾利湿、砂仁は扶気調中。諸薬と理中湯を相配すれば、去痰しても気を消耗せず、また降逆にも気を滞らせない。
  服薬後晩の8時になって、嘔逆の軽減と突然に腹痛し黒色の糞便を甚だ多く下し、夜半になって嘔逆は全て止んだ。翌日来診、四肢倦怠と体に力が入らず、胸悶、脈滑大に転じ舌は膩で乾。これは胃濁が不化なので、前方に附子60gを加え以って命門の火を助ける。これは所謂“火の源を益するは、陰翳を消すを以って”ということで、理中湯を合わせすなわち先天後天の陽をどちらも一緒に扶けが得られ、そして胃濁は自ら降りるのである。
  服用後胸悶は全て消え精神状態は良好に転じたが、まだ心煩と不安、頬の腫れと歯茎の隠痛を覚えた。枳実梔子豉湯加蘇条参を以って処理する:
  炒枳実6g、焦梔子9g、淡豆豉9g、蘇条参15g。枳実梔子豉湯は仲景の寛中下気や心腎交通・虚煩除去の方であり、これに蘇条参を加え以って元気の保護とする。服用後心煩は大いに減ったがまだ頬の腫れや歯の痛みが全て消えた訳ではないので、自製方の姜桂苓半湯加減を用いる:
  乾姜12g、桂枝12g、茯苓15g、胆炒半夏9g。方中の乾姜を以って除寒散結し、桂枝は温経通脈、茯苓は利水行痰、半夏の胆汁炒で更に化痰降逆し、浮越した陰火を潜蔵することで引くことができる。
  方を1剤服用し頬の腫れは消え歯の痛みは止んだが、夜が明けた時に両腿の疼痛と水腫、舌の白膩が現れた。これは上方の散寒降逆に因って、寒が下に向かったために腿の水腫が現れたので、きっと寒湿が取りきれておらず陽が宣達しないためである。続けて以下の方を処方する:
  麻黄6g、杏仁9g、桂枝9g、白朮15g、薏以仁15g、甘草6g。この方は麻黄加朮湯と麻杏薏甘湯の合方である。蘊積した寒湿を尿・汗として取り除く妙方で、服用後直ぐに腿痛は減り水腫は消えてなくなった。続けて苓桂朮甘湯加附子及び四逆湯加苓・朮を調理して癒えた。

  注釈:この病は最初薬物の乱用によって変症を誘導し、脾腎を傷つけ嘔逆不止が現れ、本当に陽虚・寒湿不化の証に繋がってしまった。舌色黒そして乾に至っていよいよ陽虚で津液上承不能となり、同時に熱象ではなくなった。陽虚がすなわち病の本で、寒湿がすなわち病の標である。初めから終わりまでこの用薬の鍵をしっかりつかみ、無論その陰邪の上越が牙歯疼痛や頬の腫れを引き起こし、下泄が腿腫痺痛となり、症状が異なるといえども病の本源は同一なり。陽気を扶け寒湿を取り除くことから出発すれば、一歩一歩栄光に近づき終には全て成功を収めることができる。

                                   続く

by sinsendou | 2012-06-11 00:31 | 中医火神派医案新選①~

麗しの島 台湾旅行記 190 【吉星港式飲茶】その2

【吉星港式飲茶】その2

いつも感じることなのですが、台湾の人々の食欲には圧倒されます。

もともと私自身、胃腸が丈夫なほうではないので特にそう感じるのかもしれませんが・・・。

次から次へと運ばれてくる料理にただただ唖然とするばかりです。

すべてお任せなので、こちらはただ眺めそして運ばれてきたものをひたすら食べるだけです。

でも美味しいのでけっこう食べれるものですネ。

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まだまだ、これで終わりではないですよ。
by sinsendou | 2012-06-08 12:52 | 麗しの島 台湾①~487

中医火神派医案新選 その10

中医火神派医案新選
その10


9.失血――乾姜附子湯
  呉某、男、74歳。頭頂部外傷の流血過多によって某医院に緊急入院し、傷口の冷水洗浄後混迷状態に陥り、悪寒戦慄が止まらず戴氏に治療を求めた。現症状は、うずくまり出血は止まったといえども目を瞑って一言も発しない。傷口を診ると当に頂頭部位である。舌淡青滑、脈沈。証は陰寒重症に属する。急いで峻扶元陽を用いながら陰寒を駆散させ、血脈を温暖することで治となし、方は大容量の乾姜附子湯を用いる:
  附子120g、乾姜30g。急いで2剤煎じて服用させる。1剤服用後悪寒戦慄は止んだ。もう1剤服用させると意識は清明に転じた。患者は年老いて衰弱し元陽の本が虚となっているため多量でしかも連続服用でなければ十分な効果を得ることができない。続いて附子湯・四逆湯を以って十数日調理し、漸く当初の平常に戻った。

  注釈:頂頭は督脈と厥陰肝経の会合の場所、督脈は陽脈の海で寒気の侵入で陽気は抑圧される、故に悪寒戦慄を発する。厥陰はすなわち多気少血の経で、流血過多で気は血に随って散じてしまいそこへ寒気が侵入したため、陽気は疲弊し心竅が通じないため混迷が現れた。治療の鍵は峻扶元陽にあり、全身の気機を奮い立たせることで、故に大剤量の乾姜附子湯を用いた。附子は下焦の元陽を温め、乾姜は中土の生気を培う。集中した薬の力は大きく、量多くして効果を速める、火神の風格が顕われている。

  10.心悸――附子甘草湯/ 補坎益離湯/ 潜陽湯
  呂某、男、77歳。素性は勤勉だが苦労し高齢になっても持ち家の仕事に追われていた。最近2カ月ほど徐々に心悸・気短を感じ、日増しに重くなってきた。小便は頻数でたびたびの治療も無効だった。診察するとその脈は代、舌は白滑。患者が告げるには“どの医者も私の病は陽虚に関係しているという、ただ扶陽の方中にもし肉桂が加えられたら、反って心悸が更に甚だしく感じる、知らないのは何故?”余は云う“扶養は乾姜・附子・桂枝から離れられない、但し附子は乾姜なければ不熱で桂枝なければ不燥だが、扶養の方中に桂枝を加えればその燥性は増大し、純陽は剛烈となって興奮し過ぎる、故に受け入れられない。しかしもし適切に調剤すれば即ち心配ない。”
  現在の諸症は顕かに心腎陽虚に関係し、中陽不足で元気が収納できなくなった。心陽虚は陽が神を蔵せないため心悸・気短となり、腎は五液を主どるので腎陽が虚衰すれば元気が収納できず、上は陰液を統摂できず涙や鼻水が流れ出ることとなり、下は膀胱の約束ができず小便頻数となる。かつ心腎の陽は相通じ相互に影響しあい、腎の陽衰は心陽不足を引き起こし、心陽不足はまた腎陽にまで及んで傷つける。故に腎陽虚の者は心陽が虚し易く、心陽虚の者は腎陽不足を多く感じる。然れども其の相互交通の作用は、全て頼りこれを斡旋しているのは中気であり、これを鄭欽安は次のように述べている:“中気は上下を調和する枢機なり。”この証の治法は、運中を以って補陽し助陽を以って補中するが宜しく、先天後天同時に両方のことを考える。但し用いる薬は剛柔互いに助け合わねばならず、病情に適して、遂に鄭欽安の附子甘草湯を以って処理をする:
  附子60g、炙甘草9g。方中附子の辛熱は先天の心腎の陽を補い、その性は剛烈;甘草は味甘で後天の脾土を専ら補い、その性は和緩。甘草と附子は相互に作用しあい剛烈の性を緩和できる。同時に脾は先天の真陽を巡らせることができ、中気が癒えて旺盛になれば先天の心腎の陽も交通できる、これは先天後天両方の補剤なり。
  上方3剤連続して服用させると症情は好転した。さらに補中作用を強化し心気の補いを兼ねるべきである。原方に高麗参を6gから15gまで加えて3剤服用すると、諸症は大幅に減じ快適・安静になった。これで心腎の陽は回復したがさらに強固を図るため須らく陰陽両方の都合を考え、本《内経》“陰平陽秘なれば、精神すなわち治る”の旨で、鄭欽安の補坎益離湯と潜陽丹を加味して改方する:
  第一方、補坎益離湯:附子60g、桂心9g、蛤粉15g、炙甘草6g、生姜15g。
  第二方、潜陽丹:附子60g、鼈甲15g、砂仁6g、桂心9g、炙甘草9g、高麗参9g。
  補坎益離湯は附・桂を用いて心腎の陽を補い、蛤粉は腎陰を補いながら下焦を開き水津を上潮させ、姜・草は中を潤し最もよく上下を交通させる。附・桂を一緒に用いるといっても蛤粉の補陰の助けがあり、甘草の甘による緩を以って剛烈の性が大幅に減るだけでなく、水火が互いに助け合い心悸は自ずと起きなくなる。
  潜陽丹の中の鼈甲は潜陽滋陰し、附・桂は心腎の陽を補い、高麗参を加えて元気を補益する、また砂仁・甘草を得て理気調中し、上下の気機を交通させるので水火を平に調節する。
  上方を各2剤ずつ服用後、諸症は消失し精神も以前と比べてしっかりした。

  評注:この証は心腎陽虚で肉桂の燥に耐えられず、附子甘草湯を選用して回避できた、十分な用意が円満に行き届くという巧みさである。三方を用いたのはみな鄭欽安の定めたところで、この老師は火神派学説を用いて深い成果をあげている。

                                  続く

by sinsendou | 2012-06-05 00:17 | 中医火神派医案新選①~

京都の旅 その66

【曼殊院門跡】

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by sinsendou | 2012-06-02 13:15 | 京都の旅①~74



「抗老化」いつまでも若くありたい。それを実現する漢方薬が「鹿茸大補湯」です。   毎週日曜日を定休日とさせていただきます。
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