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カテゴリ:中医火神派医案新選①~( 326 )

中医火神派医案新選 その326

中医火神派医案新選 その326

22.慢性腎炎に伴う不眠――潜陽丹加味  注釈

 注釈:慢性腎炎について以前は利湿化濁に重点を置いていたが、効果を向上させることができなかった。この例で病人は水腫が下にあって陰水顕著で、加えて不眠が比較的重く、陽虚のため升降不利に陥ったと考え、方は潜陽丹加味を用い、温陽潜鎮を重点に利湿化濁の法を佐とすることで、水腫がなくなったばかりでなく蛋白尿さえもそれにつれて消失した。以前の腎の治療はその多くが尿液の弁証を重視し、全身状況をなおざりにしていた、今回はすなわち全身の調整を重点に置き、人を治すことが本となる訳で、腎を治療せずとも実際には腎は治り、全身症状が改善するとともに腎炎も治癒した。これによって陰陽弁証の大法を悟ったと感じ、整体調節として体現することで、人を治すことを重視することでその病は自ら癒えた。
















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by sinsendou | 2018-07-16 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その325

中医火神派医案新選 その325

22.慢性腎炎に伴う不眠――潜陽丹加味

 倪某、女、38歳、農民。

 慢性腎炎を患って数年、状況は良くなったり悪くなったりで、長い間不安定である。最近階段での疲労過多で両下肢の水腫が酷くなり、中西薬物で治療したが効果は良くなかった。

 尿化学検査では蛋白(+++)。

 現在の症状は両下肢水腫が現れ、運動後に酷くなり、呼吸は短く声に力なく寒がって四肢冷たい、着衣も明らかに常人よりも多く顔色は青暗い、長期不眠が続き最近さらに重くなって寝付かれないし、日中は頭がくらくらしてぼうっとする、夜床に入ると頭が冴えて夜通し眠れない、食欲不振で腹が少し張る、舌淡胖大辺に歯根あり、脈沈弱骨に着いて診にくい。

 証は脾腎陽虚と升降失常に属し、治は温陽潜鎮と利湿化濁に宜しく、方は潜陽丹加味を用いる:
 附子30g(先煎)、亀板10g、砂仁30g、炙甘草10g、炮姜30g、生竜骨30g、生牡蠣30g、紫石英30g、霊磁石30g、石菖蒲20g、甘松20g、茯苓60g、澤瀉20g。

 6剤を水煎して毎日1剤服用する。

 二診:水腫は大きく減り不眠は明らかに好転したが、その他の症状は大きな変化はなく、これは病の重さに対して薬が軽いということで、上方に附子を45g加えさらに6剤進める。

 三診:水腫ほとんどなくなり不眠は一歩ずつ好転し、尿蛋白は陰性となった。

 方薬が有効であるので、上方に淫羊藿・仙茅・補骨脂を各30gを加え再び6剤進める。

 四診:水腫は消失して毎日2~3時間熟睡でき、日中もやや元気になって、寒さや四肢の冷えも明らかに軽減されたので、原方を6剤進めそれで体質を強固にした。

 注釈については次回に。

















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by sinsendou | 2018-07-09 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その324

中医火神派医案新選 その324

 評注:反復する微熱や白血球の増加などは、現在の西医の見立ては感染症であり、抗生物質を用いることが日常的である。

 しかし、病人にとっては白血球の低下と同時に、免疫機能も低下し、身体は日増しに衰弱し“あえて再度は用いず”となった。

 抗生物質の使用を停止すると白血球は再び上昇し、こちらを立てればあちらが立たず、これが抗生物質の一大弊害である。

 この病情では中医に救いを求めるのが適宜であり、病人が微熱とはいうものの、鄭欽安の陰陽弁証評定に照らし合わせ、これら陽虚の象に反映させると、陽虚である以上は自ら扶陽することが本治であり、四逆湯加味で治療すれば、微熱が下がるばかりでなく、それにつれて白血球も正常まで下がるので、中医薬で人の病を治療することが本質的に優勢であることが充分に体現された。

 いわゆる“炎症”が全て火に属すのではない。

 この証は通俗の輩による治療のようで、白血球上昇に着眼して、必然的に大量の清熱滋陰をつかい、効果がなければ更に量を増やすなど、将に人の治療で死ぬかもしれない覚悟がなく、みな中医の西洋化による自業自得なり。

 “元来中医としては脈症に着眼するべきで、西医の指標に着眼する必要はない。” 

 中医が一旦指標に着眼し始めると、西洋化の誤った方向に陥ってしまい、ただ中医の本質を失うばかりである。

 いわゆる火神派が強調する陰陽の真の理論や陰陽の弁証を掌握することは、最大の現実的意義は中医の西洋化を校正するだけのことで、中医の正統が正脈に回帰しつつある。
















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by sinsendou | 2018-07-02 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その323

中医火神派医案新選 その323

21.低体温――潜陽丹加味/四逆湯加味

 宋某、女、30歳、農民。

 1か月前に帯状疱疹を患い、抗生物質やホルモン剤などの薬物を用いて治癒したが、37.5℃の微熱が反復して出現し、それと同時に白血球数も増加して20.9×109/Lまで達したため、大量の抗生物質で治療後、白血球は正常範囲まで下がった。

 薬を止めて三日もたたずに白血球が再び上昇し、それに従って身体が日増しに弱っていく感覚があり、顕著に痩せて不眠が徐々に悪化してきたので、敢えて抗生物質は用いずに中薬の治療を求めた。

 検査では白血球11.9×109/L、症状は微熱が見られ、午後になると酷くなり最高37.5℃に達し、呼吸は短く声に力なく、全身倦怠で寒がり四肢は冷え、精神は虚ろで情緒不安定、精神抑鬱、不眠多夢、長い溜息ばかりつき、自分一人では身体を支えきれないほどやせ細り、食欲不振で腹脹し、舌淡胖大で舌辺に歯根あり、脈沈細弱で無力。

 証は腎陽虚衰で、治は回陽健脾に宜しく、方は潜陽丹加味を用いる:
 附子30g(先煎2時間)、炮姜30g、亀板10g、砂仁10g、炙甘草10g、紅参10g。3剤を水煎し毎日1剤服用。

 服薬の後、症状は大きく減り微熱はなくなり、白血球も10.9×109/Lまで回復したが、胃脹が顕著に現れたので、さらなる増量服用を要求し処方を調整した:
 附子50g(先煎2時間)、炮姜30g、砂仁30g、炙甘草10g、紅参10g。

 3剤。

 三診:病状の大半は軽減し、白血球は9.0×109/Lと正常にまで回復した。

 精神は顕著に好転し、不眠も改善したがただ情緒が依然として不安定なので、長期間の服用をさせるように処方を調整:
 附子60g(先煎2時間)、炮姜50g、砂仁30g、炙甘草10g、紅参10g。10剤を毎日1剤。

 40数剤服用し、病情が安定したので停薬し経過観察とした。
















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by sinsendou | 2018-06-25 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その322

中医火神派医案新選 その322

20.慢性咽頭炎――潜陽封髄丹加牛膝・桔梗

 李某、女、60歳、農民。

 慢性咽頭炎を患って10年余り、長期にわたり中西薬物を服用したが治らず、清熱解毒剤の上に更に重ねて用いていた。

 現症状は、咽喉部の乾渋と異物感があり、吐き出せず飲み下すこともできない、飲水飲食には影響なく、各種咽喉鏡の検査でも異常はない。

 平素から寒がって四肢冷え、舌淡苔白、脈沈細やや滑で無力。

 証は陽虚陰盛で虚陽上越に属す。

 治は引火帰原で潜陽利咽に宜しい。

 方は潜陽封髄丹加味:
 制附子30g(先煎)、砂仁10g、亀板10g、炙甘草10g、黄柏10g、牛膝10g、桔梗10g。

 3剤を水煎し毎日1剤服す。

 3剤服薬し咽喉部の症状は大きく減り、全身状況は顕著に改善したので、また原方を3剤追加すると咽喉部乾渋はほとんど消失し、さらに6剤進め症状は完全に消失した。

 評注:慢性咽喉炎に、市場で販売されている中西薬のほとんど多くがどれも寒涼の品である。ことに腎陽虚損や陰寒内盛、虚陽上越を知らず、“火熱”の象の類に似ているとみて、仔細に見分ければ反って陰盛陽浮の象であり、鄭欽安の言うところの“陰火”で假火であることが判る。この種の病状はとても多く見られ、俗医は知らずに誤辨誤治するものが多くある。
















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by sinsendou | 2018-06-18 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その321

中医火神派医案新選 その321


19.頑固性口瘡――潜陽封髄丹加味 その2

 三診:頭皮の瘡腫は消失し、痔瘡も感覚がなくなり、食欲大いに出て精力充実、夜晩の睡眠も安隠となる。最近幾日に月経来臨により、感冒に罹ったがとても軽微で、いつも月経が来ると必ず数日発熱していたが、今回の感冒は薬も使わずに治ったが、どうしてなのか。

 きっと方薬が人体の正気を助けてくれたのだし、故にこの次月経発熱もこの様に軽く過ぎると告げた。

 最近二日舌辺及び左頬粘膜のところに二つの小瘡面ができていたので、問いただすと、最近二日酒を飲んだと判った。

 辛辣な物を避けるように云いつけ、“上火”を免れるように上方を更に6剤服用させ、素質を強固にした。

 注釈:頑固性アフタ口内炎は永い治療にもかかわらず治りにくく、臨床でも少なくない。治療にあたった医者は滋陰降下を用いて一時は緩解を得ることができたが、しかしながら更に頻繁にできて根治ができていない、その原因が陰火にあるのを知らないで、誤辨誤治をしたのだ。頭面五官の疾患は腫痛火形と現れ、あたかも陽熱のごとくといえども、その実の多くは虚陽上越の“陰火”であり、その病歴は長く数々の治療も効果ないと知るべし。鄭氏の陰陽辨訣衡量を用いれば、決して困難ではないことが判る。治療に用いる潜陽封髄丹加味は確実に効く方剤に属し、対応がきわめて緊密であるといえる。病人が服薬して頭皮の疥癬が悪化したが、これは“陽薬が運行し陰邪が消える”ときの反応で、あまり心配する必要はない。服薬後には果たして頭皮の疥癬は消失し、痔瘡までも一緒に消失した。病人は服薬期間中は生冷及び辛辣な食物を禁じねばならない、必ずしも“槍を擦れば火が起こる”訳ではないが、医者も患者もみな注意するべし。
















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by sinsendou | 2018-06-11 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その320

中医火神派医案新選 その320

19.頑固性口瘡――潜陽封髄丹加味 その1

 陳某、女、40歳、幹部。

 2007年11月7日診察。

 再発性アフタ口内炎を数十年患い、全国各地の医院を遍く訪ね治療を受けたが、用い尽くした中西薬では病を根治できず、ただ一時的にしばらく緩んだだけで甚だしい苦痛がある。

 現症を診ると、左側口腔粘膜に多くの潰爛および舌辺にも潰爛があり、瘡面の色は蒼白で疼痛忍び難く、食事がいつも困難で、熱冷や刺激物を食べることができず、不眠多夢、日中は疲労倦怠、夜晩は入眠困難、常に咽喉炎が起こり、全身畏寒して四肢厥冷、両下肢最も甚だしく冬日はさらに激しく、熱を喜び涼は悪む、月経錯雑し量は少なく色淡、舌淡胖辺に歯根あり、苔滑潤厚膩、脈沈弱無力。

 証は虚陽上越に属し、治は回陽潜陽に宜しく、方は潜陽封髄丹加味を用いる:
 附子30g(先煎)、亀板10g、炙甘草10g、黄柏10g、生竜骨30g、生牡蠣30g、紫石英30g、霊磁石30g、石菖蒲20g、甘松10g、白芷10g、桔梗10g、三七10g。

 6剤を水煎し毎日1剤服す。服薬後、アフタ口内炎はほとんど消失し舌上の厚苔も消失、舌辺歯根も七八割減り咽喉炎消失したのでとても喜び、これまでにこれほど良い現象はなかった。

 ただし最近数日感じるのは頭皮に多くの疥癬があり、それがやや疼痛するのと、永年の痔瘡も再発した。

 それは“陽薬が運行し、陰邪を化去する”反応で心配いらないといい、継続して原方薬を用いる:
 附子45g(先煎)、三姜(乾姜・炮姜・高良姜)各30g、炙甘草10g、亀板10g、砂仁30g、黄柏20g、生竜骨30g、生牡蠣30g、霊磁石30g、紫石英30g、石菖蒲20g、甘松10g、桔梗10g、白芷10g。

 6剤。
















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by sinsendou | 2018-05-28 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その319

中医火神派医案新選 その319

18.抑鬱症――潜陽封髄丹加味

 劉某、女、40歳、教師。

 患者は精神抑鬱症が10年余り続き、情緒低落や夜通し寝付かれず、長期にわたり精神抑鬱症や安定剤などの薬を用いて、薬の常用量を越すほど服用しても、増やしたほど効果がなく苦痛が忍びがたい。

 現症状は、情緒低落、寒く四肢冷え、身体はやや太り気味で呼吸は浅く話したがらず、日中はボーとして精彩なく、夜床に入ると頭が冴えて寝られず、夜通し寝がえりを打ち不安、舌淡胖、脈沈細無力。

 証は腎陽虚衰と陽気外越に属す。

 治は温陽潜鎮に宜しく、方は潜陽封髄丹加味を用いる:
 附子30g(先煎2時間)、亀板10g、砂仁10g、炙甘草10g、黄柏10g、紫石英30g、霊磁石30g、石菖蒲20g、甘松10g、山茱茰30g。

 3剤を水煎し毎日1剤服す。

 服薬後、安静で入眠でき二日目も精神は比較的良好で、これほど良いのは10年来ないほどで、継続し附子を50gまで増やし10剤服用。

 連続して上方を2カ月近く服用し停薬観察すると、安静入眠ができかつ二日目も精神はとても良かった。

 注釈:不眠は精神抑鬱症の一つの主要な症状であり、長期に鎮静薬を服用するも無効、病人達の畏寒と四肢冷えの症状、この表現は陽虚の症である。日中陽気が昇らねばならないのに昇らず、夜晩に陽気がまさに降りねばならぬときに降りない、陽が陰に入らず外に停留するので入眠できない。潜陽封髄丹は専ら潜納浮陽としての役であるが、その鎮潜の力はやや不足である、故に紫石英・磁石を加えて助け、鎮潜浮陽と陽気潜蔵させると、陰陽交接が自然に回復する。
















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by sinsendou | 2018-05-21 10:58 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その318

中医火神派医案新選 その318

17.更年期抑鬱症――潜陽封髄丹加紫石英・霊磁石・山楂

 劉某、女、55歳、退職工。

 患者は煩躁・不眠・精神不振や情緒不安定が数年、良くなったり悪くなったりで、診断は更年期精神抑鬱症であり、長期間安定剤類薬物を服用しても病状は不安定で、最近はさらに酷くなってきた。
 
 現症:日中は煩躁不安と陣発性の烘熱発汗、畏寒四肢冷え、情緒定まらず喜怒異常で毎晩不眠、舌淡苔白水滑、脈沈細無力。

 証は腎陽毀損、虚陽上越に属す。治は温陽潜陽に宜しく、方は潜陽封髄丹加味を用いる:
 制附子60g(先煎2時間)、砂仁15g、亀板10g、炙甘草10g、黄柏10g、紫石英30g、霊磁石30g、山楂20g。

 3剤を水煎し毎日1剤服す。

 服薬後、病人は良好となって情緒安定し、夜も熟睡できるようになり、食欲も少しでてきたので原薬が有効であると判断し、更に5剤進めた。

 情緒はまた一歩改善して精神はとても良くなって、睡眠も正常で食欲も増加したので、又5剤進め治療効果を強めた。

 一年後に訪れるも病状は安定していた。

 注釈:女性の更年期について、《内経》では“天癸竭”と言っている。天癸とは腎精のことで、実際には陰陽共に虚してしかも陽虚の方が著しい。鄭欽安はかつて次のように述べた:“陽は陰これを主どるなり。”更年期は陰陽両虚といえども陽虚が著しく、日中に陽気が毀損すると正常に運行できず陰と相争する、故に煩躁不安となる;夜はすなわち虚によって入陰しにくくなり、陰陽が順接できず、故に眠りに就くことが難しくなる。治は潜陽封髄丹加黄柏・紫石英・霊磁石を用い、以って相火を清して潜陽を温め助陽潜鎮するので、服せば良い効果がある。最近では多くのこの類の病例を治療して、どれも良好な効果を収めている。















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by sinsendou | 2018-05-14 00:00 | 中医火神派医案新選①~

中医火神派医案新選 その317

中医火神派医案新選 その317

16.頑固性不眠――潜陽封髄丹加乾姜

 
鄭某、女、45歳、市民。

 頑固な不眠が3年余り、長期にわたり入眠を大量の安眠薬に頼り、最近では大用量でも3時間入眠するのが難しく、常に安眠薬をくり返し服用し、二日目には頭がくらくらしぼうっとするほど生活に影響がある。

 本人が述べるには3年前産後にもかかわらず苦労をし過ぎて身体の具合が悪くなり、一日晩まで頭がぼうっとして寝付かれず、段々と薬を飲まずには寝られなくなり、かつては中西薬物を一年余り服用したが明らかな効果はなかったという。

 現症を見ると、寒がって四肢冷え、日中めまいし精彩ないが、夜になると頭が冴えて寝られなくなる、舌淡苔湿潤、脈沈細無力。

 証は心腎陽虚で虚陽外越に属す。

 治は潜陽安神に宜しく、方は潜陽封髄丹加乾姜を用いる:
 制附子30g(先煎2時間)、亀板10g、砂仁10g、炙甘草30g、黄柏10g、乾姜30g。3剤を水煎し、毎日1剤を服用する。

 服薬後顕著な効果あり、安眠薬を減量することができ、又原方を2剤服用すると、安眠薬は半減しさらに3剤服薬後、安眠薬を用いずに約6時間入眠でき且つ日中に精力増加を自覚したが、まだ寒がり四肢の冷え軽減さていないので、上方の附子を段々と60gまで増量し、合計100剤余り服用し薬を止めても入眠できるようになった。

 注釈:日中は陽と為し、夜晩は陰に属す;日中陽は外にあり人を動かし、夜晩陽は陰に入り、陰は盛んで静となり、故に入眠となる。日中に陽は動すなわち人は精神を有さねばならない、精彩がなければすなわち顕かに陽気が昇っていない;夜晩に陽は陰に入るそして静かにすなわち眠る、今その陽が陰に入らなければ、虚陽が外越して入眠できなくなる。これが頑固な不眠で治療を困難にしている根本である。これによって陽虚のこの重要なポイントの扶陽潜鎮や陰陽交会をつかみ、頑固な不眠を調整することができ、不眠の治療効果を大幅に高めることができた。
















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by sinsendou | 2018-05-07 00:00 | 中医火神派医案新選①~



「抗老化」いつまでも若くありたい。それを実現する漢方薬が「鹿茸大補湯」です。   毎週日曜日を定休日とさせていただきます。

by sinsendou
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