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2012年 05月 24日 ( 1 )

中医火神派医案新選 その8

中医火神派医案新選
その8

  5.口唇疼痛――四逆湯/ 封髄丹
  解某、男、30数歳。口唇疼痛が忍び難く、前医は石膏の様な清熱解毒の剤を用いたため、疼痛は更に酷くなり一週間激痛に因って寝られず、転院し余に診療を求める。症状を見ると舌質は青、苔滑潤津液多く脈沈細、火邪が盛んな象はない。口蓋は脾の窮であり唇は榮養するところなので、その病機は下焦の濁陰太盛と陽が潜蔵せずにあり。陰邪が満ちれば寒水は土を侮り脾土が制約を受ける、経絡が通じなければ口唇に反映され本証が形成される。治法は当に扶陽抑陰を以ってなし、方は四逆白通湯の合方を与える:
  川附子30g、乾姜6g、甘草6g、葱白2茎。3剤服用し疼痛大きく減り、裏陽は少しずつ回復し舌の青色も段々に退き脈は有力に転じた。なお四逆湯を与えるが川附子を塩附子に改めまた剤量を多くする:
  塩附子60g、乾姜6g、炙甘草6g。1剤服用後、黒水大便を甚だ多く下した。これは濁陰潰退に繋がり良い現象であり、脾陽が徐々に回復した証拠である。口唇の腫れの勢いはすでに消え、治療効果を強固にするために封髄丹を与え、陰陽交通と引火帰原させる。2剤服用し病が遂に平常にまで回復した。

  6.崩漏――独参湯/ 四逆湯/ 亀齢集/ 帰芍理中湯加炮姜/ 人参養栄丸
  戴某、女、49歳。月経が乱調で毎月の月経時には過多となり清潔ではなかった。ある日急に出血が止まらなくなり、眼花頭暈や冷や汗が流れ出し卒倒して倒れ、精神混迷して人事不省になるなど、その病勢は甚だ危険となったので急遽来診した。症は舌淡で無華、両尺脈は芤、顔色は蒼白となり手足逆冷が現れた。これは冲任の気が暴虚して陰血の統摂ができず、遂には血が妄行した。当に急務を要し速やかに血中の気を補うことが宜しい。いわゆる“有形の血は速やかに生じることができないが、無形の気は当に急いで固摂できる”、急ぎ高麗参30gを取り濃く煎じて服用するように言いつける。服用後漸く元気回復し、精神も覚醒して流血は減少した。続けて扶陽の剤を与え気血の回復を以って陰陽を平衡させる。これは即ち《内経》の“陰平陽秘、精神乃治”の理なり、方を真似て四逆湯を用い乾姜を炮姜に変える:
  附子90g、炮姜30g、炙甘草9g。この方は元陽を温扶して真陰を固めるので本治の剤である。1剤服用して四肢の冷たさは回復し、冷や汗は収まり流血も止まった。しかしなお頭暈・精神倦怠を感じ、顔色もまだ淡白である。これは即ち腎精の消耗で陰陽両虚となっているので補陰回陽に宜しく陰陽を併治する。方は亀齢集2瓶を用い、毎回5分服す。
  上薬を服用後頭暈及び精神は好転した。方を改め温中を以って摂血し、堤防を固める剤を加え、方は帰芍理中湯加炮姜を用いる:
  当帰15g、炒杭白芍9g、党参15g、白朮12g、炮姜15g、炙甘草6g。3剤を連服して症状消失、顔色紅潮となるが、ただ精神倦怠を覚えるので続けて人参養栄丸を用いて調理し安らいだ。
  評注:この医案は当初病勢が危急で、“血脱には益気”の主旨から人参を用いて元気を大補し虚脱を救済した。続いて四逆湯を用いて回陽固陰を以って本を治し、乾姜を炮姜に変えて止血し、遂には止崩の効果を獲得した。崩漏後は腎精消耗して陰陽両虚となるので亀齢集を以って補腎填精した。帰芍理中湯を加えることで強力な統血の効果が得られ、終りには人参養栄丸を用いて気血双補し善後調理する。考えの方向がはっきりして信頼のおける熟練者である。
  
  7.戴陽証――白通湯加猪胆汁・童便
  施某、女、17歳。発熱が続き下がらないので某医院に入院し治療したが癒えず、前医はそれまで葛根芩連湯・銀翹散と白虎湯等の方剤を用いたが、発熱は反って酷くなり戴氏に診察を求めた。現在の症状は:高熱、全身の冷や汗が止まらず声は低く息は短い、四肢は逆に冷えているが顔色は朱の様に赤い、体は重く寝返りさえも難しい、二便は正常、飲を欲せず舌は青滑、右脈沈細、左脈浮大無根。証は陰寒過盛による虚陽上越の假熱証に属し、治は陰陽交通と元気収納に宜しい。方は白通湯を用いる:
  附子60g、乾姜12g、葱白3茎。附子は先に弱火でゆっくり十分に煎じ、舌で味わい痺れ味が無くなってから他の薬を入れる。2剤、水煎服す。
  上方1剤服すと、発熱及び病情は以前のようになった。戴氏は薬が対症的で治療効果も不確かなのは、陰寒格拒過盛によるので薬が病所まで到達できていないと考えた。従陰引陽を適応し本来は“甚だしき者は之に従い”、“熱因寒用”治則を用い、原方に猪胆汁数滴と童弁1杯を加える。服用後ついに熱は全て退き冷や汗もまた止まり、顔の赤味と身熱は大きく軽減したがまだ四肢はなお冷たいので、続けて乾姜附子湯を以って元陽を峻補し上下を交通させる:
  附子60g、乾姜15g。服用後諸症は悉く癒える。

  評注:本例は“戴陽証”であり、多く寒涼の誤用に因って引き起こされる。“戴陽証”の假熱は極めて変わりやすく実熱が混在し、もし詳細な追求を加えなければ極めて容易に誤治しやすい。既に真假が相混していて必ず本質を尋ねるべきである。患者は高熱が退かないとはいえども全身からは冷や汗が止まらず、声低く息も短い、また四肢は冷たく脈浮大無根は、内寒の存在が判りすでに陽脱の証が顕かで、発熱面赤は即ち戴陽の証である。結合前に服用した寒涼は効果ないことで、真寒假熱の“戴陽証”であることがはっきりした、そこで急ぎ白通湯を用いて回陽を収納させたが、ただ陰寒格拒に因って最初は効果なく、後で方中に猪胆汁・童便を反佐とし加え、服用の方法で効果があった。この証の反佐の道理はなおざりにできないと知るべしなり。                                   
                                     続く

by sinsendou | 2012-05-24 00:00 | 中医火神派医案新選①~



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