中医火神派医案新選 その343
5.便血――四逆湯加肉桂
林某、男、68歳。
麻黄体質の外観。
大便に鮮血を伴う出血が一週間。
自ら生地黄・熟地黄を煎じて服用するも効果ない。
排便後の出血は鮮紅色で、その出血量は多くなく、かつて県医院での検査では内痔核と診断され、痔の根断を服用するも無効。
体型は壮実、腹は出っ張り硬満で、手足は常に暖かい、自ら言うには冬が来ても手足はいつも熱いくらいであると。
長期にわたり大便は1日3~4回で、形を成さず匂いはない、食欲あって良く寝られる。
舌淡胖嫩苔薄白、脈浮弦、やや強く按じると空。
弁証は陰寒内盛、相火外越。
処方:炙甘草20g、乾姜15g、附子10g、肉桂6g。
3剤。
三日後に再診すると、患者は服薬後二日目に出血は止まり、おならが多くなって大便の回数が減少したと言う。
上方から肉桂を去り6剤。