免疫 その173
免疫反応を根底から破壊するウィルス その1
17世紀から18世紀にかけて西欧で猛威をふるった天然痘ですが、1980年に全世界天然痘根絶宣言がWHOによって発表され、19世紀末にパスツールによって洗練化された形に開発されたワクチン療法によって根絶されました。
それはワクチンを武器にとった人類の勝利とさえ謳われました。
しかし、天然痘根絶宣言の翌年の1981年、大変皮肉なことにワクチンでは全く太刀打ちができない病気がはじめて報告されました。
それは『エイズ』という病気です。
エイズは後天性免疫不全症候群という英語の頭文字をとって略した言葉(acquired immune-deficiency syndrome;AIDS)です。
エイズの原因はエイズウィルスという病原微生物ですが、この病原微生物は免疫反応を根底から破壊してしまうのです。
具体的にはどういったことでしょうか。
次回は、「エイズ」についてもう少し詳しく調べてみましょう。