中医火神派医案新選 その338
1.咳嗽――四逆湯
庄某、女。
寒邪を受けて鼻水が流れ痰の多い咳嗽、口中は淡で味無く、疲れきって眠い、二便は正常、脈を診ると寸関脈が浮やや弦、尺部は沈弦、強く押すと無力。
処方は四逆湯を与える:
炙甘草20g、乾姜15g、附子10g。
合計4剤ほどを服用したら諸症は全て消えた。
注釈:既に過去のものとなった相同病症の治療で、痰の多い一つの証にとらわれ過ぎて、二陳湯を加え或は苓桂朮甘湯・半夏厚朴湯を合わせ、姜の辛味を加え用いても効果は今回のように素早く徹底するようにはならなかっただろう。