免疫 その169
免疫でがんは太刀打ちできる?
がん細胞はからだにとっては異物なのに、異物を排除してくれるはずの免疫の攻撃を巧みにかわしてしまうと前回お話しました。
こうなってしまうと、がん細胞を免疫の力で排除することはもはやできないのでしょうか。
一度はがん細胞によって力をそぎ落とされてしまったチラーT細胞やマクロファージといった免疫担当細胞たちに、もう一度活力を与えればがん細胞を排除できるのでは?
そのような発想で新しい治療法が開発されつつあります。
例えば、がんの患者さんのT細胞を集めてきて、T細胞に活力を与える差し入れ分子(サイトカインの一つであるインターロイキン2)を加えてT細胞の力をよみがえらせます。
そして、元気になったT細胞を患者さんに注射して戻すという治療法。