免疫 その166
ガン細胞と免疫のせめぎ合い その1
前回で細胞の中には細胞分裂にアクセルをかけるタンパク質たちとブレーキをかけるタンパク質たちがいて、そのタンパク質たちのバランスが崩れるとその細胞はガン化してしまうというお話しをしました。
なぜアクセルタンパクとブレーキタンパクのバランスが崩れてしまうのでしょうか?
今回はより詳しくお話いたします。
細胞分裂にアクセルをかけるタンパク質を細胞分裂促進タンパク、ブレーキをかけるタンパク質を細胞分裂抑制タンパクといいます。
そして細胞分裂促進タンパクの設計図を原がん遺伝子(がん原遺伝子)、細胞分裂抑制タンパクの設計図をがん抑制遺伝子といいます。
これらの遺伝子が紫外線やタバコの煙などで傷ついて、たまたま異常に活発な細胞分裂促進タンパクを生じたり、逆にたまたま働きを失った細胞分裂促進タンパクを生じることがあります。
このような遺伝子の変化によって細胞分裂促進タンパクの働きが細胞分裂抑制タンパクよりも勝ってしまうと、細胞はガン化してしまうのです。