免疫 その165
ガンの正体 その3
2.どうしてガン細胞は生まれるのか?
1つの細胞が2つに分かれて増える細胞分裂は立派な生命現象です。
なにしろ60兆個と数えられている私たちのからだの細胞は、受精卵というたった1個の細胞が2倍2倍に分裂することによってできたものなのですから。
さて、生命現象の多くはタンパク質によって営まれているのですが、細胞分裂という生命現象はさまざまなタンパク質たちによって営まれています。
つまり、細胞の中には細胞分裂にアクセルをかけるタンパク質たちや、逆にブレーキをかけるタンパク質たちがいて、これらのタンパク質たちがお互いにバランスを保ちながら相互作用しあうことで細胞分裂するかしないかが決まるのです。
ところがこのバランスが崩れて、細胞分裂にアクセルをかけるタンパク質たちが、ブレーキをかけるタンパク質たちに勝ってしまうと細胞はどんどん増えてしまいます。
これがガン化の仕組みです。