免疫 その161
細胞は生きすぎてはいけない
その2
さて、前回に続きリウマチの話に戻ります。
本来ならば自己免疫性ヘルパーT細胞や滑膜細胞は適切なタイミングで死ぬはずなのですが、リウマチではなぜか自己免疫性ヘルパーT細胞が生き残ってしまうことで「自己」に対する免疫反応が起こったり、なぜか滑膜細胞が死なないでじわじわと腫瘍のように増えてしまうのです。
アポトーシスの機能不全、すなわち細胞の生きすぎはリウマチのような病的事態を引き起こしますが、逆にアポトーシスの機能亢進、すなわち細胞の死にすぎも病的な事態を引き起こします。
例えば、エイズの時は免疫反応の司令塔であるヘルパーT細胞がアポトーシスの機能亢進を起こして死に過ぎてしまいます。
あるいはアルツハイマー病やパーキンソン病といった神経の難病においても、神経細胞がアポトーシスの機能亢進を起こして死にすぎてしまうのです。
細胞は生きすぎても死にすぎてもいけない、細胞の生と死のバランスを整えるような治療も今現在、開発されつつあるのです。