免疫 その158
関節リウマチ その4
リウマチの3つの側面
前回まででリウマチについてお話しましたが、ごく最近リウマチには3つの側面があることが分かってきました。
1つは自分のからだのなんらかの成分を攻撃してしまう「自己免疫疾患」、もう1つは炎症がなかなか治らない「慢性炎症」、そして関節をくるむ滑膜の細胞が増えて周りの組織に食い込んでいく「腫瘍のような病気」です。
今回からはその側面について詳しくお話します。
1.自己免疫疾患
リウマチでは関節をくるむ滑膜が犯されるのですが、そこではマクロファージに似た滑膜細胞がクラスⅡMHC分子(抗原の断片をヘルパーT細胞に提示するための分子)をたくさん出していたり、ヘルパーT細胞が滑膜細胞の周りに集まっています。
すなわち滑膜ではマクロファージに似た細胞が、自己の成分を自己反応性ヘルパーT細胞に見せ、お互いにそそのかし合っていることが想像されます。
その自己の成分は明らかにされていませんが、Ⅱ型コラーゲンというタンパク質と考えられています。