中医火神派医案新選 その317
中医火神派医案新選 その317
16.頑固性不眠――潜陽封髄丹加乾姜 鄭某、女、45歳、市民。 頑固な不眠が3年余り、長期にわたり入眠を大量の安眠薬に頼り、最近では大用量でも3時間入眠するのが難しく、常に安眠薬をくり返し服用し、二日目には頭がくらくらしぼうっとするほど生活に影響がある。 本人が述べるには3年前産後にもかかわらず苦労をし過ぎて身体の具合が悪くなり、一日晩まで頭がぼうっとして寝付かれず、段々と薬を飲まずには寝られなくなり、かつては中西薬物を一年余り服用したが明らかな効果はなかったという。 現症を見ると、寒がって四肢冷え、日中めまいし精彩ないが、夜になると頭が冴えて寝られなくなる、舌淡苔湿潤、脈沈細無力。 証は心腎陽虚で虚陽外越に属す。 治は潜陽安神に宜しく、方は潜陽封髄丹加乾姜を用いる: 制附子30g(先煎2時間)、亀板10g、砂仁10g、炙甘草30g、黄柏10g、乾姜30g。3剤を水煎し、毎日1剤を服用する。 服薬後顕著な効果あり、安眠薬を減量することができ、又原方を2剤服用すると、安眠薬は半減しさらに3剤服薬後、安眠薬を用いずに約6時間入眠でき且つ日中に精力増加を自覚したが、まだ寒がり四肢の冷え軽減さていないので、上方の附子を段々と60gまで増量し、合計100剤余り服用し薬を止めても入眠できるようになった。 注釈:日中は陽と為し、夜晩は陰に属す;日中陽は外にあり人を動かし、夜晩陽は陰に入り、陰は盛んで静となり、故に入眠となる。日中に陽は動すなわち人は精神を有さねばならない、精彩がなければすなわち顕かに陽気が昇っていない;夜晩に陽は陰に入るそして静かにすなわち眠る、今その陽が陰に入らなければ、虚陽が外越して入眠できなくなる。これが頑固な不眠で治療を困難にしている根本である。これによって陽虚のこの重要なポイントの扶陽潜鎮や陰陽交会をつかみ、頑固な不眠を調整することができ、不眠の治療効果を大幅に高めることができた。
by sinsendou
| 2018-05-07 00:00
| 中医火神派医案新選①~
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