中医火神派医案新選 その257
中医火神派医案新選 その257
11.腹瀉(放射性腸炎)――四逆湯合理中湯/四逆湯合理中湯・四神丸 その2 患者には次のように告知した、半年以上にわたり腰部酸困・時に痛み、夜間尿3~4回。手足冷えて悪寒し、夏でも毛の衣類を二枚着て、口は渇くが熱いものを欲しがる。 患者は癌症の手術後を心細く思い正気が受損して脾虚胃弱となった:加えて放射線治療後に腎陽もまた損傷を受けた。 弁証は脾虚気陥と腎陽不足である。 当に健脾温中と扶陽益腎で、四逆湯合理中湯加減を以ってする: 附子60g(先煎3時間)、炮姜12g、炒党参12g、炒白朮12g、呉茱茰6g、甘草6g。 3剤服用後腹痛は激減し、大便の回数も減少して一日2~3回になり、便中の粘液も少なくなり、すでに無血様便になった。 その他の症状も軽減が見られたが、この陽虚は比較的甚だしいので、温中扶陽を除いた他、なお補腎固渋が必要で、四逆湯合四神丸加味を以ってする: 附子60g(先煎3時間)、炮姜15g、炒党参12g、炒白朮15g、呉茱茰6g、補骨脂12g、肉豆蔲15g(去油)、五味子10g、砂仁10g(後下)、甘草8g。 連続して4剤服用して諸症はみな軽減し、食欲増加、精神漸く回復。 継続して上方を以って加減し調理一カ月で治癒した。 評注:癌症の病人が放射性腸炎で、頑固な腹瀉が出現した時、多くの場合湿熱下注・気陰耗傷を以って論治するが、実は陽虚の者も多く見られる。本例は先ず補中益気湯の投薬を以って治療、脾に着眼したが補気が主であり効果は著しくなかった。脾虚による気弱は必ず腎に及ぶ、故に腰困乏力・悪寒四肢の冷え等腎陽虚損の症が出現した。二診では扶陽をしっかり押さえ、多量の附子を以って腎の治療を主とし、温中固渋を以って兼ねて、最後には良効を得た。火神派の基本観念では腎は脾よりも重く、陽は気よりも重い、本案はすなわちこの一点を示唆している。 いまこの一瞬にも、すべての方に幸せが訪れています。 素晴らしい人生のひと時をお過ごしください。
by sinsendou
| 2016-11-21 00:00
| 中医火神派医案新選①~
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