免疫 その31 ウイルスに対する免疫反応 その2
ウイルスに対する免疫反応 その2
キラーT細胞は、ウイルスに感染した細胞のHLAクラスI抗原に付着して現れたウイルス由来のタンパク質の断片を、サプレッサー(CD8)細胞分子の補助のもとに抗原レセプターで確認し、分裂・増殖します。 増殖したキラーT細胞は、ウイルスに感染してい る細胞に直接取り付き、しらみつぶしに破壊していきます。 ヘルパーT細胞やキラーT細胞は、同時にインターフェロンを分泌してウイルスの増殖を抑えています。 細胞表面に掲げるアンテナでウイルスを捕らえたB細胞によって分泌される抗体は、ナチュラルキラー細胞やキラーT細胞が破壊した細胞から飛び出してくるウイルスに結合して細胞への付着を防ぎ、その毒性を中和します。 抗体は、これも細菌のときと同じように初期のIgMからやがてIgGに切り替わり、ウイルスは効率よく排除されていきます。 最後サプレッサーT細胞が働いて免疫反応は終了し、インフルエンザという感染症は治癒します。 これが、最初の感染からだいたい一週間ほどの間に体内で起こる出来事です。 ヘルパーT(CD4)細胞:異物の侵入をキャッチし、B細胞やキラーT細胞に攻撃命令を下す免疫システム軍の最高司令官。免疫系の中心的存在。 サプレッサーT(CD8)細胞:免疫反応が過剰に進み過ぎないように、異物が退治された状況を認識しヘルパーT細胞の興奮を鎮め攻撃を抑制する副司令官。 サプレッサーT細胞の不調が、自己免疫疾患などに関与する。 いまこの一瞬にも、すべての方に幸せが訪れています。
by sinsendou
| 2015-04-10 00:00
| 免疫①~
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