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中医火神派医案新選 その87

中医火神派医案新選
その87


 3.寒疝――通脈四逆湯/烏頭桂枝湯 その1

 余某の妻、年齢40歳近く、陰寒の大病に罹ってすでに1年余り。

 最初は起きた時微かで全く気にかけなかったが、後になって発作が起こるたびに酷くなって、自ら診療を求めて足を運んだ:左辺の少腹に塊が常にあってなくならない、痛む時その塊は拳の如く膨張し、手足は痺れて力が入らず、全身に冷や汗をかいて人事不省となり、2~3日に一回或は5~6日に一回、医薬は少しの効果もなく終わり、脈は沈緊、舌苔白厚で湿滑、顔色は暗い。

 直ぐに通脈四逆湯を与え、烏頭は24gを用い、連続して3剤進めると痛みは止まった。

 その方を守り再発しないように多く服用するように言いつけた。

 停薬によって再発した後、別の医者の治療を二週間以上受けたが痛みは変わらないので、また診察を求めて来た。

 余は云った:本証は簡単には治らない、何で学識の殆どない輩が痒いところに手が届かないような薬で治せるのだろうか?

 方を調べてみたらみな月並みな経でない処方ばかりで、また通脈四逆湯加呉茱茰・烏頭(毎回30g、続けて60gまで増量)を以って10数剤服用すると、痛みが起こらなくなったがまだ塊は残っている、《金匱》によれば“寒疝して腹中痛み、逆冷して手足痺れ、若し身疼痛して灸針諸薬で治すことできなければ、低当烏頭桂枝湯これを主どる”とあるが、ただ烏頭が得られないので、即ち生附子30gを用い、方に照らして煎じ服す。




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by sinsendou | 2013-11-01 00:00 | 中医火神派医案新選①~
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