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中医火神派医案新選  その64

中医火神派医案新選
その64


  2.亡陽煩躁――茯苓四逆湯
  古き友人の段某、素体が衰弱して体型は消痩、病を患って一年余り、永い治療にもかかわらず治らない。症状としては両目に力がなく煩躁して死にたがり、頭が壁にぶつかっているように高い声で叫びうるさい。家族が云うところによると、始めは頭痛が少し煩わしいほどであったが色々な治療を経て、その煩躁のためにどこも寒涼清熱の剤を多量に用いた結果、無効なだけでなく病は反って激しさを増してしまった。顔色は青黒く精神は極めて疲れ果てて、息ができずに気喘して急に油の様な発汗をしたかと思うと、急に冷めて四肢厥逆し、脈沈細で絶えんばかりであった。方は下の如くにする:
  茯苓30g、高麗参30g、炮附子30g、炮乾姜30g、甘草30g、これを急いで煎じ服用させる。服用後煩躁は自然と止み、その後は量を減らして10数剤続けて服用して癒える。

  注釈:煩躁症の病因は数多くあるがその治法はそれぞれ異なり、邪が表にある煩躁には、治法は清熱解表が宜しい;邪が裏にある煩躁には、苦寒清下が宜しい;今回の煩躁では、高齢で体が弱く正気も元々不足して、真陽は衰退したうえ久病に加えて寒涼瀉下を誤服し、その腎陽を傷つけまた脾胃までも負けてしまい、正が虚して亡陽となり即ち大汗をかいた;汗が出ること多ければ亡陽となるばかりでなく、その陰もまた亡くなり陰陽が順調に調和せず、即ち四肢厥逆となる;真陽が絶えんばかりだと、血脈運行を鼓舞する陽がなく、脾胃は衰退して血を生じることができず、即ち脈細で絶えんばかりとなる。
  けだし神は陽から発しなおかつ陰が基礎となって、陰精とは神の住まいなり。故に陽気は昇り、陰精不足が上がるのを助長し陽が高ぶり、すなわち煩となる;陰気が下がり、陰虚無陽がこれを助けようとして陽の基礎から離れ、すなわち躁となる。本例は僅かな陽が飛び出して、本元の基礎が断たれたために煩躁を生じた。仲景が言うところの“発汗もしくは之を下し、病が依然として解けず煩躁する者、茯苓四逆湯之を主どる”であり、故にこの方は回陽固正を用いる。陽が壮健となって正が回復すれば腠理は固密し、汗は自ら止まる。この方を用いて四逆を用いないのは、四逆が回陽抑陰の剤で補虚の効果がないからである。四逆加人参湯を用いないのは、煩躁があって欲死の証を兼ねているので、故に茯苓を君薬として補脾を以って煩を止める。恐ろしがって薬が少なければ今にも絶えそうな陽を救うことはできない、故に多量でしかも頻繁にこれを飲ませ、治療効果を速くする。

  3.亡陽――茯苓四逆湯
  李某、女、35歳、農民。元来陽不足の患者が寒邪を外感し、発熱と悪寒してしかも寒が多く熱は少ない、また夜になると最も甚だしくいつもより多めに夜具を被るが暖まらない。始め辛涼解表を用い続けて苦寒瀉下を用いると、病は更に酷くなり床に伏して起き上がれなくなって三カ月経つ。現症としては、顔色晄白で艶がなく精神は恍惚、体形は消痩で冷たい汗をたくさんかき、その汗が顔の溝にそって下に流れ話声は低微で、気息奄々で四肢厥逆し、六脈は絶えんばかり。与えた方は:
  茯苓30g、炮附子15g、党参15g、乾姜15g、甘草15g。この方を2日以内に連続して7剤服用させると、汗は止まり足も温まり六脈は回復し、続けて20数剤服用して癒えた。

  注釈:外感の病は、本来解表するべきである。但し素体が陽虚の者が風寒を外感した時は、辛涼解表・苦寒瀉下のどちらも用いてはならない。若し誤って用いたならばその脾胃を傷つけ、その腎陽を負かし必ずや陰陽共に滅び、精神は離散して壊証を変成する。本証では前医が治療すればするほど酷くなった原因は即ちここにある。この時は急いで腎中の陽を温めることが宜しく、培土固正と燥脾が湿を去り中も温め、ほとんどを挽回することができる。服用後良効な結果を得た。
                                       続く



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by sinsendou | 2013-05-27 00:01 | 中医火神派医案新選①~
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