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中医火神派医案新選  その32

中医火神派医案新選
その32


四、祝味菊医案

  祝味菊(1884-1951)、浙江省紹興の人で晩年は自らを“傲霜軒主”と名のった。上海の名医で陽気を重視し、附子を自由に使いこなし人呼んで“祝附子”と誉められ、火神派の中でも独自の一派を立ち上げた著名な医家である。
  先祖代々医を業とし、若いうちから父に随い四川に行って中医典籍を見て回り、また宿儒劉雨笙等から学習し、才智の優れた昔の人をよく疑問を発したが、二人の老師はその疑問に答えることができなかったので自ら辞めてしまった。後に軍医学校に入り西医を学び、勉強して二年後日本に赴き西医を考察して、翌年に帰国した。1926年四川の動乱を避け上海に赴きひっそりと一年考察し、上海の医家が傷寒方面で清涼に偏重しているのに深く感じるところがあった。遂に世間の風に逆らって開業し、附子・麻黄等の温熱薬を提唱して用い効果をあげ、その名が上海中で大きく取り沙汰され、遂には陽気を重視し附子を重用することが特色の医学流派を形成し、上海ではその影響が顕著な“祝氏医派”となった。1937年、馮伯賢が《上海名医医案選粋》を主編する時、その代表される医案21則に収められ、将に祝氏は上海の名医の一人となった。
  祝氏の主要著作には《傷寒新義》・《金匱新義》・《傷寒質難》等がある。その中で代表作は《傷寒質難》で、陳蘇生と係わり祝家が学問の探討で難しい弁証を繰り返して、当日の問答を記録して3年工夫し積み重ね、《内経》を真似て問答形式に整理して出来上がったもので、これらの書集中には祝氏の学術思想が体現されている。《中医火神派医案全解》中には、かつて選んだ祝氏医案38例のうち、本書には祝氏医案11例が再び選んであり、主要は《上海名医医案選粋》に出ている。

1.咳嗽――小青竜湯加附子
  范小軍:中気が虚寒し、衛気は不達、表邪が留恋し、肌熱は起伏、咳嗽して苔白、小便渋長、脈虚数、当に温中達表を与える:
  黄厚附子15g、活磁石45g、生竜歯30g、酸棗仁18g、炙細辛1.2g、桂枝4.5g、水炙麻黄6g、淡乾姜4.5g、仙半夏12g、陳皮6g、生白朮12g。
二診:表気は比較的和やかで咳嗽もほぼ爽快、脈はなお虚数、再び前法を加減して与える:
  黄厚附子15g、活磁石45g、生竜歯30g、酸棗仁15g、茯神12g、桂枝6g、蜜炙麻黄3g、白杏仁9g、生白朮6g、炙細辛1.5g、淡乾姜4.5g、枳殻4.5g。
三診:咳嗽は減ったが表はまだ和やかとはいかず、営気も不足し脈息虚数なので、再び温中達表を与える。前後とも九診し、基本は上の方を以って主となし、出入りする薬物がなおある:
  柴胡4.5g、白芥子6g、炒茅朮12g、生白芍9g、五味子2.4g、炙百部6g、生谷芽12g、炙蘇子6g等。

  評注:前後に用いた薬を細かく推測すると、顕かに小青龍湯の意を含んでいる。附子を用いる時、祝氏は“附子対薬”を創り、たとえば竜歯・磁石・酸棗仁・茯神などを附子と組み合わせ選び用いた。これの意義は、老師が用いる附子に多くは甘草が配伍されていないからである。

2.胃痞――真武湯加減
  譚小姐:中寒で脾弱、三焦失化、胃は痞え、顔面浮腫、小便短、脈細遅、当に温中。処方:黄厚附子12g、淫羊藿15g、西砂殻6g、上安桂2.4g、炒白朮15g、帯皮砂仁9g、黄郁金6g、帯皮苓15g、淡乾姜6g、藿梗9g。
二診:温中し脾を理気すると、小便は増えたが、胸が痞え少ししか納められず脾運はまだ回復せず、なお前法を以って加減する:
  黄厚附子5g、生牡蠣30g、生白芍12g、姜半夏12g、帯皮苓15g、上安桂3g、藿梗6g、淡乾姜3g、西砂殻6g、炒白朮15g。
三診:小便は多少増え、水腫は減り食欲は増したが、脈はなお細遅。再び扶陽理脾を与える:
  黄厚附子15g、淫羊藿12g、淡乾姜6g、生白朮15g、帯皮苓9g、泰皮砂仁18g、生殻芽15g、藿梗6g、上安桂3g、大腹皮12g、川椒目6g。

  評注:この案診は“胃痞”であり、かつ面浮腫と小便短を兼ねて現れ、温中利水を以って施し、真武湯を以って主と為した。胃痞の治療ポイントは理気和中を以って施すことで、砂仁、郁金、大腹皮、姜半夏、藿梗、白朮を以ってその中に加減した、これは老師のいつものやり方である。

3.帯下――附子理中湯加味
  盛小姐:陽虚で中寒となり、脾湿下陥して帯下となる、脈は濡細、温中理脾を与える:
  黄厚附子9g、炮姜炭6g、大腹皮9g、帯皮例15g、蒼朮6g、生白朮9g、大黄炭12g、胡芦巴6g、白鶏冠炭9g、桑寄生12g。
二診:帯下は治ったが、腹瀉と脈が細遅なので、再び温中理脾を与える:
  黄厚附子12g、補骨脂12g、大黄炭6g、生白朮15g、炮姜6g、生殻芽12g、川桂枝5g、西砂仁6g、帯皮苓15g、益智仁9g。

  評注:温中理脾といえども、用方には附子理中湯の意味があり、ただ人参を加えなかったのはその恋陰を嫌い、湿盛の帯下の証に与えるのは宜しくないと考えたのだろう、読案とはまさに字のないところに学問を見出すことなり。




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by sinsendou | 2012-10-15 00:09 | 中医火神派医案新選①~
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