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中医火神派医案新選  その26

中医火神派医案新選
その26


三、唐歩祺医案

  唐歩祺(1917―2004)は四川永川県の出身で、火神派を代表する医家である。1,941年国立四川大学卒業。祖父の蓉生公は医を以って世に知られ、鄭欽安に師事した。唐氏は幼き頃に法廷の教えを受けて習鄭氏に学び、その後また傷寒学家の呉棹仙の門で遊学し、北京中医学院の著名教授任応秋先生を詰問した。一生を火神派の学術思想の研鑚に捧げ半世紀以上医療を行い、傷寒と鄭欽安学術思想に詳しく、“附子は熱薬の冠”と称して何度も起こす長い病気に善く大量の附子・乾姜・桂枝を応用し、時代の誉れ“唐火神”は経典火神派医家の代表である。
  唐氏は鄭欽安の学を胸に信服し、終生火神派学説の研究・伝承をし、鄭欽安医学著作の解釈研究に力を注ぎ、かつて何度も鄭氏の直系の子孫やその親族を訪れ、15年の時を経て《医理真伝》・《医法圓通》と《傷寒恒論》三書の解釈研究を完成させ、前後して印刷に付した。後に三書の規格を統一して一本となし、《鄭欽安医書解釈》と名を定め、1996年には四川巴蜀書社から出版し、2004年にはその社から修訂を出版した。それぞれには“海外国内の医家の称賛を受け、その名を慕って教えを求める者が後を絶たないばかりか、遠くは欧州・オーストリアまで及び、志を同じくする者が講義授業を3回も受けた”と書いてある。鄭氏の原著に対しての書は緻密に調査し細かく校正し、間違った箇所を訂正して節の進行通りに解釈せねばならず、並びにその心得を感じとってもらうように、その案例約40例を附してある。当然の如く書の序文やあとがきには、唐氏は鄭氏学説に対して初歩的整理を作り、鄭欽安の理論を次のように認めている、“陰陽を以って徹底することは総綱であり、万病が六経の主要な意義から出ていないし、最初の真気の学術思想からも出ていない。特に重い陽虚陰盛の事理を深く説明したことは、トップレベルに到達している。善く大剤量の乾姜・桂枝・附子を用いて以って回陽救逆し、危機から人を救った。その陽虚の弁証治療において独創的な経験の累積で、実に前人のまだ発表していない所を発表した、すなわち祖国医学の珍しい宝で千年に一人の逸材である”(《鄭欽安医書解釈・唐序》)。これらはみな書を成し遂げることが火神派の重要文献の研究・伝承になるはずである。ここまで論じて唐氏は心を最も集中して用い、最も勤勉に力を用いて最も著しい成績を収め、火神派の最も忠実な伝人であると称することが謂える。
  唐氏はこれ以外に著書があり《咳嗽の弁証論治》、1982年陜西科学技術出版社から出版している。
《中医火神派医案全解》かつてその23例の医案を選び、閲覧できるように今またその14例を選んだが、各案はどれも《咳嗽の弁証論治》に出ていたものである。

1.咳喘――新訂麻黄附子細辛湯加味
  続某、女、45歳、幹部。顔面は浮腫み、顔色は黄色く暗い、両眼は虚ろで悪寒し、両膝から下は水中で膨らんだ様に冷たく、夜通し暖まらず両腿はいつでも震え・引きつけ・肌肉疼痛し、呼吸が詰まり心煩動悸して総て元気がなく、静を好み動くことを嫌い、胸部苦満のため食欲不振、口乾くが茶水を欲せず、月経周期は遅延しその量は少なく色は黒い。いつも感冒に罹りやすく悪寒発熱し、喉が痒くなると直ぐに咳嗽喘息となって、白い泡沫の痰を吐く。ペニシリン・ストレプトマイシンの注射を半月或は1カ月ほどで治癒したと告げられるが、それほど間が無くまた感冒咳喘し、この循環のように終りがない。最近また感冒に罹り、咳嗽喘息で痰を吐き、唇は真っ白で口中には津液が溢れていた。舌質は淡紅、苔は黄白、脈浮緊で細。
  これは陽虚が病の本である。陽虚は衛外を固められないので風寒の侵入も抵抗できない、故に感冒になりやすい。感冒に因って咳嗽喘息が引き起こされ、また不規則に慢性気管支炎が再発する。これは肺が沈寒を持っているので、外の風寒が侵入しこれに付着することで発する咳喘であり、清熱解毒に類する方薬でなく治すことができる。これは外感風寒であり、太陽から少陽に入っての咳喘で、治法は当に温経散寒を以って平咳止喘し、新訂麻黄附子細辛湯加味を用いて之を治す:
  麻黄9g、制附子31g、細辛3g、桂枝15g、乾姜31g、甘草31g、蘇汁12g、防風15。この方を2剤服用し、第1剤を服用する時に童便を用いて虚熱を下行させ、第2剤にはそれを用いないこと。云う所によると第1剤を服用した後に咳喘は大幅に減り、2剤で咳と喘息は止んだ。

  評注:新訂麻黄附子細辛湯は唐氏が考え出した効果のある方であり、組成は麻黄・制附子・細辛・桂枝・乾姜・甘草である。
  本方はつまり表裏に対する針と同じ病機で考えられた。麻黄・桂枝は太陽証に用いる薬なり;附子・乾姜は少陰証に用いる薬なり。悪寒発熱、無汗で脈沈は表裏同病であり、故に麻黄を用いて発汗解表、附子で温経扶陽し、麻黄と附子を配伍して体力増強と表邪を解しやすくさせる、汗を出して表解させるが心陽の損失はない;細辛は麻黄を配し以って去痰利水と咳逆上気を治し、附子を配してよく温経散寒し一切の疼痛を除く;桂枝の辛温は営分の邪を引いて肌表へ達することができる;乾姜の辛烈な温散は寒邪を去ることができる。甘草の甘平は諸薬を調和し、喉頭気管の潤滑も兼ねる。桂枝・乾姜・甘草の三味を加えると温通散寒の力が更に強まり、且つ三味揃うと咳を治す効果がある。故に凡そ一切の陽虚が寒を感受した咳嗽・哮喘など、みなこれを治すことができ、並びに各種傷寒の虚弱な咳嗽・哮喘を治し、そして傷寒に因って引き起こされた寒痛の要方である。



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by sinsendou | 2012-09-09 00:21 | 中医火神派医案新選①~
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