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中医火神派医案新選  その24

中医火神派医案新選
その24


4.麻疹垂危――増液湯加減
  某女児、3才。初めの発疹時は直ぐに升麻葛根湯加薄荷・防風・荊芥を2剤与え、服用後に疹はすべて出きったが、発熱が退かず咳嗽と目を閉じると多くの目やにが出て、続けて二陳湯加生姜・細辛・五味子・炙麻黄を以って服用させると、咳嗽は少し減ったがなお発熱と喘息が加わった。この時、余は経験不足から弁証が不確かで、つい出疹後の発熱喘息或は虚寒の証に属すると思い、四逆湯を以って之を治療した。服用後発熱は漸く退いてきたとはいえなお鼻の扇動と喘ぎがあり、その風が今にも動き出しそうなので、そこで逐寒蕩涼湯(炮姜・肉桂・公丁香・胡椒)を少し与えこれを服すと病勢はますます沈重に見えた。この夜21時ごろ細心の注意を払って診察すると、その脈は沈細、絶えそうなほど微かで全身みな冷えていた;両目は目やにで六七日閉じたままで目を開けることができない;舌唇は化膿して乳が飲めない;呼吸は急促で微細、その症はすでに危急に転じていた。夜中の零時になって患者は僅かな呼吸と微細な迫促の声をあげ、四肢は厥逆し白く粘った泡涎を口腔外に流出させ、全身冷たく脈息とも絶えそうで、やはり乳も飲めず症状はますます厳重に見えた。細心を配りながら考えを追求し、温熱薬を服しますます悪化し、或いは真陰内虚で陰虚が内熱を生じ、その真陰が外に追い出された。これに出会って気息奄々の際、寒涼薬は使えないし温熱薬もまた投入できない、ただ滋陰補水の法が使える:
  熟地9g、玄参3g、五味子3g。弱火でゆっくり煮たものを少しずつ飲ませると、幸いに徐々に飲みくだすことができ、薬を茶碗半分ほど服用させた後、夜中の2時ごろに様子を窺いに行ったところ、口中の涎泡は7~8割方減少し呼吸促迫の声も比較的穏やかになり、脈拍も細数に転じまたこの薬を茶碗1杯飲んだ。空が明るくなろうとする頃再び診察すると、喘息は治まり体温回復し、口中の白泡は既になく乳も飲むことができる様になって、翌朝にこの方を倍にして服用させ、目やにを洗浄するとやっと目を開けることができ、その視力も正常であった。薬を全部飲み終わると冷たい水を欲しがり、少しずつこれを与えもう薬は服用せずに癒えた。

  注釈:疹の後の陰虚は邪熱が内伏し、温熱薬の誤服の後その裏熱は更に甚だしくなって、真陰を圧迫して外越させ陽盛隔陰の垂危の証になった、故に養陰清熱の剤を用い始めて危機から転じて安穏となった。方中の玄参は色黒で性は苦寒、心腎の熱を清くするを以って十分で、熟地は滋陰補水、五味子は肺腎の気を斂陰収納し根へ帰し、また真陰の熱邪を退ける、すなわち全ての効果が現れる。

  評注:この案は陰陽の弁訣を以って陰証に属しているように之を判断し、即ち呉氏の妥当細密な経験を以ってしても、惑う感じのように言っている。温熱薬を服用した後に症状が重くなることに因って、“細心を配りながら考えを追求”せざるを得なかった。幸い固執しなかったので、一時軽剤の滋陰補水を以ってこれを試し、終には危機的状況を挽回した。火神派は扶陽の剤を投薬した後で、若し症情が減らず或は反って重くなったら、慎重に何度も考慮せねばならず、融通性がなくてはいけない、編者が本案を選録したのは即ちここに着眼したからである。

5.感冒――麻辛附子湯加桂尖/ 四逆湯合二陳加細心・五味子
  張某、42歳、昆明市の住人。某日家に帰る途中丁度陰雨に降られ、寒風で感冒となった。初めは身熱悪寒と頭痛関節痛、混迷と嗜臥(即ち少陰のただ寝たいとの病情なり)に、熱いものを飲みたがるが多くはない。脈沈細に緊を兼ね、舌苔は白滑で舌質は青紫が混じり、腎気が素より脆弱なことから坎内の陽も弱く、客邪に抵抗する衛外固表の力なく、風寒の邪が虚に乗じて少陰に直入し、真陽運行の気機を阻塞してこれらの症状を成した。仲景の麻辛附子湯による温経解表を以って之を主どる:
  附子36g、麻黄9g、細辛6g、桂尖12g。1剤で直ぐに発汗して身熱は退くが、ただ頭暈と咳嗽・気持ちが臆病となって、表邪は緩解したといっても肺寒はまだ粛清されていないし陽気もまだ虚なので、四逆湯合二陳加細辛・五味子を以って扶陽温寒しこれを主どる:
  附子45g、筠姜24g、生甘草9g、広陳皮9g、法半夏12g、茯苓12g、細辛4g、五味子1.2g。お湯で先に附子を2時間煮てから残りの薬を入れ煎じて服す。1剤飲み終わると咳嗽はすぐ止まり食欲も出て、気分も回復し病は全て癒えた(呉佩衡《医薬簡述》。)

  評注:この案は素体の腎気が毀損しているところに少陰が寒邪を感じ、太陽・少陰の両感に至った局面で、方は麻辛附子湯を用い更に桂尖を加えて開表の力を増強した。汗を取って熱が退いた後に、四逆湯合二陳に再び細心・五味子を加え以って温肺化痰し、表証が既に解していることに因って麻黄は除く;五味子を用いるが、筠姜・細辛とで仲景の化痰定式(姜辛味)になる、その収斂の邪を防ぐことに因ってほんの少量の五味子1.2gを用い、医の法則の細かいところをはっきりと出した。
                                      続く




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by sinsendou | 2012-08-28 00:23 | 中医火神派医案新選①~
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