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中医火神派 李可老中医医案翻訳 その30

李老中医 危急重症難病治療経験
その30

 六、小児耳下腺炎に苦寒剤の過度使用での氷結
  
  武潤芝、女、2歳、農牧局程青英の子、1976年10月22日初診。流行性耳下腺炎に患って2日、左の耳の下が子供の握り拳大ほどに腫れ発赤腫痛し、発熱嘔吐で体温は39.5℃、口を開けることができず乳も飲めない、手足は時々引きつけを起こし紫紋は真っすぐ命関に達していた。これは耳下腺炎の重症に属し、少陽の熱毒壅聚で既に熱極動風の兆しが表れている。先ず三棱針を以って十宣・十二井穴に点刺し出血させ、汗を得ることで落ち着く。普済消毒飲加蚤休・勾藤で疏となし痙厥を防ぐ:
  二花30g、板藍根・夏枯草・土貝母・芙蓉叶・蚤休殻10g、馬勃・勾藤・柴胡・升麻・牛旁子・陳皮・僵蚕・薄荷・赤芍・甘草核6g。
  上薬を冷水に1時間浸してから強火で7分間煮沸し、日夜連続して2剤服用。
  
  10月23日二回目の診察、熱は退き吐き気も止んだし、腫れは半分ほどになりいつもの様に遊び戯れているので、原方を2剤与える。
  
  10月26日、耳下腺の腫れは杏核の大きさにまで小さくなり、原方3剤与える。
  
  11月4日、まだ杏核の大きさで色は白く堅い、その上痰が多くゴロゴロした音がして、食欲は減少し便が稀となり、顔色は萎黄で艶がなく指紋が淡となった。小児の臓腑は未熟で気血が充実していないので、温毒に係わり重症とはいえ薬が病に当たればすなわち止めねばならない。三回目の診察をすると寒涼剤の過剰投与により中陽を損傷し、外邪が氷伏し陰凝不化となってしまった。誤治を救うために辛散軟堅を与えるが、釜戸は煙って消えかかってはいるとはいっても、灰の中にはまだ火が残っていて辛温の過用はできない。
  乾姜・元参・牡蠣・大貝・漂海藻核10g、生甘草・柴胡・桔梗・羌活・蝉退各5g、木香1.5g、甲珠1g(研磨して冲服)。
  水煎して服すこと3剤で全部消えた。病を見、病を治療する医家はおおいに戒めねばならない。症に相応し方にも相応し、また微細なことも掌握しなければならない。もし薬が病に対して過ぎれば、例え罰せられることがなくても、変症は生じるものだからくれぐれも慎重に。 
  
  七、小児の暴喘
  
  木器工場鄭素英の子、3歳、1976年10月8日夜半、突然に激しい喘息と痰のからまり、顔色は暗黒で無汗、喉からはゴロゴロという痰鳴が聞こえ唇は青く四肢は温かくない。聞いて判ったことは午後に脂ぎった肉の小さな塊を二つ食べさせたという。症は寒喘挟食に属し、小青龍湯加味を与える:桂枝・白芍・炙甘草・生半夏・雲苓・乾姜・五味子・麻黄・細辛・莱菔子・炙紫苑・炙冬花・帯殻白果各5g、白芥子10g(炒って研磨)、鮮生姜5片。
  上方を1剤服したら直ぐに癒える。凡そ小児の喘症や喉の痰鳴などは、上方を服せば速効がある。もし長年を経て治らなければ必ず腎元が不固となるので、腎四味各10gと胡桃2枚を加え三服すればその根を除くことができる。
  
  八、小児の半声咳嗽
  
  郭学之、男、14歳、水頭郭兆華の子。1983年4月17日、半声咳嗽が2年も治らず来診。その症はしばらくして“のど声”を出したが、そうでなければ胸が悶えるように詰まって耐えられないほど。脈を診ると細渋、舌の左に瘀斑がある。その病を得た始末を聞いても記憶がない。体は健康、食欲良好、普通に遊び戯れ、弁証できる証がない。その学校で義務労働に参加しているのかを訊いた。炭をかついで運び、腰かけやテーブルを運ぶと答えた。この子はとても強い子で負けず嫌いである。きっとこれは“労傷”咳嗽で、年少で体が弱く重い負担に負けた、また人に遅れることがいやで遂に内傷を起こし胸絡に瘀を留めたのではないか?しばらく痰瘀から論治:
  丹参15g、檀香・降香・砂仁各5g、桃仁・杏仁各10g、赤芍・川芎・桂枝各6g、炙枇杷叶・瓜楼各15g、韮白・紅花各6g。
  試しに服用させたら日に日に良くなり6剤服して全快を勝ち得た。その後多くの半声咳嗽の子供に遭遇したが、全て脈が渋ならば直ぐにこの処方を投じてみな癒えた。

  九、嬰児黄疸
  
  老友郭登科の甥の女子、生後7ヵ月。1,983年生まれて4カ月以上たって黄疸が発生し、2か月以上治らない。城関院のX線医師の診断では、肝脾が大きく腫れていて採血し化学検査を進言されたが、家長はこれを拒否したため確定診断ができていない。家人が知っている医者がいて、嬰児の肝炎は不治であるので仕方がないと言われた。そのままではかたわの子になってしまうかもしれないし、自然に生まれて自然に滅びていく方がいいかもしれないが、すでに処理の後のことは人に任せているし、ただ病気の子の母としてはじっと待っていることができずに日がな一日泣きあかしていた。そこで頼りにしていた祖父が出てきて余を招き、なんとか人事を尽くすように頼まれる。診察するとその子の顔色は暗灰色で全身が暗黄色、泣き声はか細く動きもなく静かで、体の下の床には一面に暗黄色の粉末が落ちていて、これは腹を手で掻いたときに落ちた黄屑で、よわよわしくやせ細っていた。乳を吸わせようとしても直ぐに止めてしまうし、肝脾はどちらも肋骨下半横指強ある。大便は灰白色、尿は濃い茶の如くである。四肢は温かくなく、指はやや涼、呼吸微弱。紙を細く捻じったもので鼻の穴をくすぐるとその子はくしゃみをして目を開けたが、両目はまだ有神に属しているし、足の甲の陽脈はゆっくり拍動していて、病が非常に重いとはいえ必ず死ぬとは限らない、しかしこれは重症の陰黄で遅れれば治らなくなるばかりでなく病機も誤るし、寒湿が深く血脈に入っているので予後を十分に考慮せねばならぬ。今回は茵蔯四逆合五苓で温陽泄濁し、藿香・佩蘭を加えて芳化湿濁、甲珠・桃紅で入絡化瘀、必ず治るとは保証できないがただ情況を斟酌して決定する:
  茵蔯30g、附子・乾姜・紅参(別にとろ火でゆっくり煮る)・藿香・佩蘭・炙甘草各5g、茯苓10g、猪苓・澤瀉・炮甲珠・桃仁泥・紅花各5gを煎じて濃汁150mlを取り、これに紅白糖30gを加え哺乳瓶に入れて、一昼夜に1剤、3剤与える。
  上方を続けて3剤服用させると、小便は清に転じ乳を呑めるようになった。また3剤を服用させると、大便は黄軟に転じ食欲は大いに増して母乳が不足したので、加えて練乳を3回飲ませた。肝脾はまだ触れるが顔色はもう明らかに潤紅となって全身の反応が速くなった。また3剤を与え合計で9剤を服用させると全身が一皮むけて癒えた。現在は15歳になり初級中学に上がり、身体壮健で渾名が“鉄塔”、智力も優れて、学業・身体・品行とも優れた学生になった。
 
  十、嬰児の幽門狭窄

  洗煤工場の祁傑の子、1990年冬に生まれた後連続して7日嘔吐が止まらず、水や乳が入らない、内科婦人科の会診意見は出産時期が超過して嬰児が羊水を呑んだため幽門狭窄を起こした。そこで次の一方を定める:
  赭石細末10g、生半夏10g、雲苓10g、甘草10gを煎じた濃汁に生姜汁10mlを混ぜて、さらに毎回麝香0.1gを混入してゆっくり飲ませると、2回服用して通じたので余った薬剤は捨て去った。合計4例を治療しみな癒える。


                                続く
by sinsendou | 2011-08-05 12:10 | 中医火神派①~50
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