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カテゴリ:なかなか治らない咳の漢方①~⑮( 15 )

なかなか治らない咳 その5

②肺燥

肺熱や温燥が長期間つづいたために、邪熱が肺陰を灼焼したため乾燥し、邪熱と潤いの元の陰液の不足によって肺の粛降ができなくなって咳が続く病態です。

肺と気管支の炎症が持続し、粘膜の乾燥をともなった状態に相当します。

症状は、から咳・痰が粘稠で少ない・痰に血が混ざるなどとともに、鼻や咽の乾燥・発熱・のどの渇き・舌質が紅で乾燥・舌苔が少ない・脈が速いなどの症状があらわれます。

治法は、炎症をしずめると同時に肺を潤す《清熱潤肺》を行います。

処方は、『清燥救肺湯』『竹葉石膏湯』などが効きます。

                               つづく
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by sinsendou | 2007-03-16 13:01 | なかなか治らない咳の漢方①~⑮

なかなか治らない咳 その4

やや長びく咳

急性の咳から始まり、一週間から十日以上も持続する咳で、急性の段階から邪がやや深く侵入した病態です。

急性期の治療が不適切であったり、体質とのかね合いでひきおこされます。

①肺熱

風寒の邪が体表を犯したのち体温によって化熱したり、風熱の邪が肺に侵入したり、または温燥の邪が化熱するなど、外邪が化熱したのちに肺に深く侵入し、肺を熱灼して肺の粛降を阻害するために咳がつづく病態です。

肺と気管支の炎症に相当します。

年間を通じて「かぜひきの咳」としては最もよくみられ、とくに子供や体力のある青・壮年がよく罹患します。

長びくと肺癰(はいよう)や痰熱阻肺あるいは肺陰虚に進行します。

症状は、強い咳き込み(とくに夜間が多い)・黄色い痰・呼吸が荒いなどの症状とともに、のどの渇き・胸痛・舌質が紅・黄色い舌苔・脈が速いなどがみられます。

また高熱をともなうこともあります。

治法としては、肺の炎症を除き熱を冷ますことにより咳を止める《清肺泄熱》を行います。

方剤は、麻杏甘石湯五虎湯をつかいます。
                                  つづく
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by sinsendou | 2007-03-04 14:18 | なかなか治らない咳の漢方①~⑮

なかなか治らない咳 その3

②風熱犯肺

風熱の邪が肺を犯し、粛降を阻害したために肺気が上逆する病態です。

ウイルスや細菌などによる炎症性の咳に相当し、年間を通じてみられます。

症状としては、咳や黄色あるいは粘稠な痰がみられ、咽痛・鼻づまり・黄色い鼻汁・頭痛・発熱などをともないます。

治法としては、炎症をしずめ発散することにより風熱の邪を外に除き、肺気の粛降を回復させる《疎風清熱・止咳》をおこないます。

主な薬物は、桑葉・菊花・薄荷・杏仁・桔梗などで、『桑菊飲』を使います。

③燥邪犯肺

乾燥した環境のもとでの、気道の乾燥やウイルスの侵入などで生じる咳である。

燥邪が肺の津液(潤い)を消耗するために、肺気が粛降できずに上逆してしまう病態です。

空気が乾燥しやすい秋などの季節に多く見られます。

暖かい時に発症する温燥と、涼しい時に発症する涼燥とがあります。

〈温燥〉

温燥の邪が肺を犯した病態です。

症状はから咳・粘稠で切れにくい痰に、鼻や咽の乾燥・のどの渇き・発熱・舌の乾燥などをともないます。

治法は、消炎し滋潤しながら温燥の邪を除く《清宣涼潤》を行います。

処方は『桑杏湯』です。

〈涼燥〉

涼燥の邪が肺を犯した病態で、秋の乾燥と次にやってくる寒い冬の両方が存在する晩秋に発生します。

咳・うすい痰とともに鼻づまり・悪寒などがみられます。

治法は、強く温めずに乾燥にも注意をはらい、軽く発散して涼燥の邪を除く《軽宣涼燥》を行い、処方は『杏蘇散』を使います。

                                 3月4日に つづく
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by sinsendou | 2007-02-24 13:19 | なかなか治らない咳の漢方①~⑮

なかなか治らない咳 その2

前回説明した「宣発」と「粛降」は協調関係にあって、一方が順調であれば他方も順調ですが、一方が失調すると他方も失調します。「宣発」と「粛降」の異常により、肺気が下降しなくなって上逆(じょうぎゃく)すると咳が発生します。

急性の咳

外界からの病邪である「外邪」の侵入により肺の宣発・粛降が失調し肺気の上逆が生じる病態で、外邪の種類や体内の状態の違いによってさまざまな病変がみられます。

がいかいの気候や環境の変化に順応できなかったり、ウイルスや細菌などの侵襲を受けて、急性に出現する咳に相当します。

①風寒襲表

風寒の邪が体表を犯し、凍結の性質を持つ寒邪が体表部を閉塞し、肺の宣発を阻滞するために、粛降ができなくなって肺気の上逆がひきおこされる病態です。

寒冷の気候や環境あるいはウイルスの侵襲などにより寒冷反射が生じ、皮膚呼吸が阻害されたために肺呼吸が失調して生じる咳であり、晩秋から冬季に発生します。

寒気とともに咳・痰が発生し、鼻づまり・鳥肌・頭痛・関節痛などをともない、発熱することもあります。

こんな時には体表を温めて発散することにより風寒の邪を外に除き、肺気の宣発を回復させる《去風散寒・宣肺》を行います。

麻黄・桂枝・杏仁・桔梗・生姜などの入った『麻黄湯』を使います。

痰湿をともなう場合は、痰が白く多い・鼻づまり・胸苦しい・腹満・白くべっとりした舌苔などが顕著にみられます。

痰湿をとるには理気化痰の陳皮・半夏・紫蘇・紫苑などを配合した『参蘇飲』

水飲をともなう場合には、うすい水様の痰・鼻みず・喘鳴・濡れたような舌苔などが見られ、化飲の細辛・乾姜・五味子・茯令などの入った『小青龍湯』がよいでしょう。
                                2月24日に つづく
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by sinsendou | 2007-02-10 14:11 | なかなか治らない咳の漢方①~⑮

なかなか治らない咳 その1

よく風邪をひいたあと、いつまでも咳だけが残って相談にいらっしゃる方があります。

このようなときには、肺の機能を低下させている原因や、症状の違いをよく見極めて治療しなければなりません。

咳の原因と治療にはどのようなものがあるのか、それぞれのタイプに分けて考えてみましょう。

咳の原因とメカニズム

肺には、息を吸ったときの「粛降機能(しゅっこうきのう)」と、はいた時の「宣散機能(せんさんきのう)」があります。

粛降とは、きれいな空気を体内に取り入れたり、脾胃でつくられた気やエネルギーをからだのすみずみに行きわたらせることです。

宣散とは、肺のなかの汚れた空気をそとに出したり、体の表面に防衛力や体液を行きわたらせることです。

咳は、このような肺の機能が乱れて起こる症状のひとつです。

ふつう、風邪が治れば咳は出なくなりますが、何らかの原因がからむと、肺の機能がなかなかもとに戻らず、咳だけが残ってしまうことがあります。

原因としては、
①風熱・風寒・風燥などの外邪が肺にまだ残っている。
②胃腸(脾胃)や生命活動をコントロールする臓器(腎)の機能に問題がある。
③咳が残りやすい体質素因がある。
などが考えられます。

治療では、咳の性質や付随する症状から、外邪のタイプや、肺の状態や他の臓器との関係、体質などを診断し、そのときの状態に合う処方を使います。

それでは次回から、主な症状と実際について考えて見ましょう

2月10日に続く

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by sinsendou | 2007-01-29 16:29 | なかなか治らない咳の漢方①~⑮



「抗老化」いつまでも若くありたい。それを実現する漢方薬が「鹿茸大補湯」です。    3月からは、毎週日曜日を定休日とさせていただきます。

by sinsendou
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