なかなか治らない咳 その2
前回説明した「宣発」と「粛降」は協調関係にあって、一方が順調であれば他方も順調ですが、一方が失調すると他方も失調します。「宣発」と「粛降」の異常により、肺気が下降しなくなって上逆(じょうぎゃく)すると咳が発生します。
急性の咳 外界からの病邪である「外邪」の侵入により肺の宣発・粛降が失調し肺気の上逆が生じる病態で、外邪の種類や体内の状態の違いによってさまざまな病変がみられます。 がいかいの気候や環境の変化に順応できなかったり、ウイルスや細菌などの侵襲を受けて、急性に出現する咳に相当します。 ①風寒襲表 風寒の邪が体表を犯し、凍結の性質を持つ寒邪が体表部を閉塞し、肺の宣発を阻滞するために、粛降ができなくなって肺気の上逆がひきおこされる病態です。 寒冷の気候や環境あるいはウイルスの侵襲などにより寒冷反射が生じ、皮膚呼吸が阻害されたために肺呼吸が失調して生じる咳であり、晩秋から冬季に発生します。 寒気とともに咳・痰が発生し、鼻づまり・鳥肌・頭痛・関節痛などをともない、発熱することもあります。 こんな時には体表を温めて発散することにより風寒の邪を外に除き、肺気の宣発を回復させる《去風散寒・宣肺》を行います。 麻黄・桂枝・杏仁・桔梗・生姜などの入った『麻黄湯』を使います。 痰湿をともなう場合は、痰が白く多い・鼻づまり・胸苦しい・腹満・白くべっとりした舌苔などが顕著にみられます。 痰湿をとるには理気化痰の陳皮・半夏・紫蘇・紫苑などを配合した『参蘇飲』。 水飲をともなう場合には、うすい水様の痰・鼻みず・喘鳴・濡れたような舌苔などが見られ、化飲の細辛・乾姜・五味子・茯令などの入った『小青龍湯』がよいでしょう。 2月24日に つづく 神仙堂ホームページ
by sinsendou
| 2007-02-10 14:11
| なかなか治らない咳の漢方①~⑮
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