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中医火神派医案新選 その151

中医火神派医案新選 その151

 10.腹痛――附子粳米湯加乾姜・茯苓/姜附六君子湯

 彭某が夜間に来て謂うには:“家の母が夕食後に腹痛しはじめ、嘔吐が止まらない。姜艾湯を煎じて服用させたが、吐き気と痛みが少しも減らないばかりか反って激しくなったので、これを治す処方がほしい。”

 吾思うに老人の腹痛と嘔吐の多くは虚寒に属すところで、砂半理中湯を以って処する。

 黎明彭君が謂うには服薬させても痛みと吐き気は変わらず、四肢は非常に冷えてその勢いは甚だしく危機が迫っているので、どうか急いで診てほしい。

 一緒にその家を訪れ、その母を見ると寝床で呻いて、安らかでなく寝返りを打って、時々嘔吐し痰や涎を床に撒き散らし、唇は白く顔色は酷く、四肢は微かに冷たく、精神疲労し独り言を呟いて、舌質白胖、脈は沈で緊。

 彼女が謂うには:“腹中雷鳴して激痛し、胸膈の逆満で嘔吐が止まらず、尿は清長。”

 証を根拠に論じれば、腹中の寒気が奔走して胸脇を上攻し、胃中の停水が逆流して吐き気となっている、陰盛陽衰の症候である。

 《金匱要略》に述べられている証治に接すると:“腹中寒気し雷鳴切痛、胸脇逆満嘔吐するもの、附子粳米湯之を主どる。”

 とりわけ涇ではこれに対して鋭い論述がある:“下焦濁陰の気が陰部で特別でなく勝手気ままにし、そのうえ陽位へ上逆して、中虚となり堤防が取り払われてしまったのだ。故に附子を以って補陽駆陰し、半夏は降逆止嘔、そしてとりわけ頼りになる粳米・甘草は土を厚く育てて陰気を収斂させるなり。”

 彭の母にはこの附子粳米湯がピッタリ合うことは疑いがない!

 但しなお心配なのは薬力が弱すぎたことで、再び乾姜・茯苓の温中利水を加え以ってその効用を広げる。
 
 2剤服用すると痛みと吐き気は減り、さらに2剤服用し全て癒えた。

 改めて姜附六君子湯を与えて温補脾腎の処理をして、調養十数日で以前のように健康になった。






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by sinsendou | 2014-06-26 00:00 | 中医火神派医案新選①~
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