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中医火神派医案新選  その70

中医火神派医案新選
その70


10.疔毒――真武湯加麻黄

  張某、男、64歳。急性の伝染病で死んだ家畜の皮を使用した後、右手人差し指先端に小疱疹ができ、接着したところが潰破して暗黒色を呈し、痛みは少なく痒みが多い、周囲を触れると硬く次いで患部に激痛が走り、瘡面から液が流れ膿はなく発熱し、脈は弦緊。

 これは疫毒の侵入で陽虚水泛し、外に発散できないのである。

 治法は温陽発汗利湿に宜しく、処方は真武湯加麻黄で:
 
 茯苓30g、白朮・白芍・麻黄各15g、炮附子24g

 2剤服用後、汗が出て熱が退き、疼痛は軽減して傷口から暗黄色の毒水が流出した。

 続けて上方から麻黄を去り黄耆30gを加えて服用させると、疔が出て癒えた。

  注釈:歴代方書の多くが疔瘡は火毒結聚であると言っていて、治療の多くは清熱解毒を以って主としている。
 
 周氏は《内経》の“気血は温を喜び寒を悪む、寒はすなわち泣いて流れることができず、温なればすなわち消してこれを去る”の旨を尊重し、次の様に云っている“諸毒は皆外より発し、外より発するは吉、内陥は凶”。

 以前に云ったことは:“吾は病に対して方を決めるに非ず、温陽を用いて治療するのは必ずその陽虚の証の根拠がある。

 陽証の瘡瘍の多くは紅腫して盛り上がり、舌は多く黄燥で脈数大等である;陰病はすなわち暗い色で、疔は硬く筋骨の間に隠れている;舌の多くが白或は膩で口中に津液が多い、脈はその多くが浮緩或は浮緊。

 黄色になって脈浮の時は正虚陽脱の象である、故にその病機は寒湿欝結の居座りに属すことが多い。”

 彼は“毒は血中の蘊にあり、温化すれば邪は自ら除かれる”という治療原則を提出し、多く温経散寒・通陽破結・補営托毒・燥脾去湿の剤を選び用いた。

 それゆえ臨床でもいつも炮附子・白芍・白朮・茯苓・麻黄等を選び用いた。

 《中医火神派医案全解》には、周氏の別の外疔毒2案が収められており、同じく真武湯加麻黄を用いて治している、参考にすべし。
                                    続く



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by sinsendou | 2013-07-08 00:14 | 中医火神派医案新選①~
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